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大谷翔平も「“ゴーンヌ”聞きました」近藤祐司が明かすゴーンヌ実況秘話「初めて使ったのはレアードのホームラン」「彼の言葉がなければ、やめていたかも」

posted2023/06/30 17:02

 
大谷翔平も「“ゴーンヌ”聞きました」近藤祐司が明かすゴーンヌ実況秘話「初めて使ったのはレアードのホームラン」「彼の言葉がなければ、やめていたかも」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

解説者から実況へと転身した近藤祐司さん。実況を始めたキッカケと代名詞「ゴーンヌ」誕生の瞬間について話を聞いた

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寺島史彦(Number編集部)

寺島史彦(Number編集部)Fumihiko Terashima

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Yuki Suenaga

「It is ゴーンヌ!」「ワン・ツー・スリー」など印象的な英語のフレーズを交えた実況でおなじみのスポーツアンカー、近藤祐司さん。

 2015年から8年間務めた北海道日本ハムファイターズの主催試合の実況を卒業した今年も、毎日のようにプロ野球はもちろん、MLB中継やNBA、NFLなど幅広い競技の実況をこなしている。

 元々はアメフトの名選手で、NFLの解説者だった近藤さんはどのようにして実況のマイクを握るようになったのか、そして代名詞となっている「ゴーンヌ!」はいかにして生まれたのか、本人に話を聞いた。<全3回の第3回/前回「大学」編は#2へ、「アメフト少年」編は#1へ>

初実況は「絶対にできる自信がありました」

「(2000年)当時スカパー!でNFLの中継をしていて、僕は解説者として出演していました。実況は元TBSの石川顕さん。日本シリーズでの『清原が涙を流しています』で有名な方です。その石川さんがいきなり『近藤くんは絶対実況ができるから、やりなさい。2週間後にデビュー戦を用意しよう』と提案してきたんです」

 普通ならひるんでしまいそうだが、近藤さんは「やります」と即答した。

「絶対にできる自信がありました。小さい頃からアメフトの中継を見続けてきて、どのタイミングで何を言えばいいか、身体に染みついていましたからね。不安なんてないですよ。緊張感は多少ありましたけど、関学や京大との試合や、甲子園ボウルに比べれば、なんてことはない。あの大舞台を踏んだ経験は確実に活きました」

結果がすべて、という世界が好きなんです

 実況としてデビューすると、近藤さんは水を得た魚のように、いきいきと様々なチャレンジを重ねていった。そして英語を交えた独自の「型」を磨いていくのである。

「実況の面白さは、視聴者からのフィードバックがあるところ。良ければ称えられるし、ダメだったら苦情が来る。僕はそこにやりがいを感じました。つまるところ結果がすべて、という世界が好きなんですね。

 英語に関しては、もちろん失敗もありました。たとえばCMに入る前に『7 to 3 Chargers on top』(チャージャーズが7対3でリードです)と言った時は、『何を言っているのか聞き取れない!』と苦情が来た(笑)。一方で、わざと大げさに『Touch Down!』と叫んだり、フィールドゴールを決めた時に『It’s good!』と高調子で称えたりするのはすぐに受け入れられました。

 そうやってトライアンドエラーを繰り返して、やっぱり誰もが知っている英語はOKだけど、難しい言い回しや長いセンテンスは難しい、ということがだんだんとわかってきました。行き着いたのが、『シンプルでキャッチーな単語を使う』という今のスタイルです」

【次ページ】 決め台詞はやり続けることが大事

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