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ドラフトウラ話…記者の本音「ホークスドラ2に正直驚いた…勝てる投手の“緊急指名”だ」ドラフト全指名を検証する《西武・阪神・ホークス編》

posted2022/10/31 17:24

 
ドラフトウラ話…記者の本音「ホークスドラ2に正直驚いた…勝てる投手の“緊急指名”だ」ドラフト全指名を検証する《西武・阪神・ホークス編》<Number Web> photograph by JIJI PRESS

西武5位指名の山田陽翔投手(近江高・175cm78kg・右投右打)

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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JIJI PRESS

“12球団”の代表者になったつもりで実際にドラフト候補選手たちを全指名して、ひとりで「ドラフト会議」を完走する「ひとりドラフト」。今年も10月20日のドラフト会議前に「ひとりドラフト」で全指名選手を予想した筆者。
ドラフトの結果を受けて、セ・パ全球団の支配下指名された選手たちを検証します。ウェーバー順、第3回は西武・阪神・ホークス編です。【全4回の3回目/#1#2#4へ】

「山田陽翔の“5位指名”に驚いた」

【西武 ドラフト指名選手(※支配下)】

1位 蛭間拓哉 22歳 外野手 早稲田大 177cm87kg 左投左打
2位 古川雄大 18歳 外野手 佐伯鶴城高 186cm90kg 右投右打
3位 野田海人 17歳 捕手 九州国際大付 174cm78kg 右投右打
4位 青山美夏人 22歳 投手 亜細亜大 183cm94kg 右投右打
5位 山田陽翔 18歳 投手 近江高 175cm78kg 右投右打
6位 児玉亮涼 24歳 内野手 大阪ガス 166cm65kg 右投右打

【西武 総評】

 西武が、山田陽翔(投手・近江高)を指名したのは「5位」だった。

 あれっ!と思って確かめてみたら、今年の支配下ドラフトで指名された「高校生投手」が12名。その12番目、ラストで指名されたのが山田投手だったから驚いた。

 2年夏から3季連続、絶対的エースとして甲子園のマウンドを支配し、1500球以上を投げて11の勝ち星を挙げた。「甲子園」でいちばん勝った投手が、ドラフトではいちばん最後に指名される。

 ドラフトに対する「高校生投手」の尺度は、身体能力と伸びしろが最優先……それがセオリーだ。甲子園の激戦を勝ち上がるための大奮投の中で、「出しきってしまったのではないか?」……それが、プロ側の見立てだったのだろう。

 しかし高校生でも、山田陽翔の「野球」は、技術的にもメンタリティーも、高校生どころか、大学レベルも超えているとしたら……。山田投手の本質が社会人レベルだとしたら、求められるべき資質は「即戦力」だ。

 ただし、首脳陣とファンには1年待ってもらおう。大奮投で痛めた部分を立て直しながら、1シーズン元気に投げ続けられる確かな体力を養って、2年目の頭あたりから、「さあ、見ておれ!」の熱投で驚かせてくれたら。

ソフトバンクドラ1を超える“ロマン枠”だ

 1位・蛭間拓哉(外野手・早稲田大)はハイレベルな走攻守以外にも、将来のポスト栗山巧、ポスト秋山翔吾……チームリーダーとしての期待も大きいと見る。野球に対する真摯な姿勢と誠実なプレースタイル。そう見込まれるだけの男であろう。

【次ページ】 ソフトバンクドラ1を超える“ロマン枠”だ

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埼玉西武ライオンズ
蛭間拓哉
早稲田大学
古川雄大
佐伯鶴城高校
野田海人
青山美夏人
山田陽翔
近江高校
児玉亮涼
阪神タイガース
浅野翔吾
高松商業高校
森下翔太
中央大学
門別啓人
東海大札幌高校
井坪陽生
茨木秀俊
戸井零士
天理高校
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