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「松島幸太朗のビジネス上の効果は…」クレルモン社長が語るフランスラグビーのお金事情、リーグワンが参考にすべき要素は?

posted2022/02/12 11:00

 
「松島幸太朗のビジネス上の効果は…」クレルモン社長が語るフランスラグビーのお金事情、リーグワンが参考にすべき要素は?<Number Web> photograph by AFP/AFLO

クレルモンで2年目のシーズンを戦う松島幸太朗。第13節を終えた時点でリーグ8位につけている

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竹鼻智

竹鼻智Satoshi Takehana

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 新リーグ元年となった日本ラグビーの2022年。旧体制の「トップリーグ」とは異なり、「リーグワン」では各クラブが積極的に収入を確保し、より「プロのラグビークラブ」に近付けていこうという試みがなされている。

 こうした試みでは試合当日のチケット収入、競技場での飲食サービス収入、サポーターグッズ販売収入、さらには各種放映権収入が非常に大切な収入源になる。

 日本のラグビーリーグは世界のラグビーリーグと比較しても、実はトップリーグ時代から“ティア1レベル”の予算規模を誇ってきた。現役オールブラックスで東京サンゴリアスに加入したFBダミアン・マッケンジーを筆頭に、各クラブが抱える今シーズンの顔ぶれを見れば、この状態は大きく変わっていないことが窺える。

 日本と並ぶ予算規模を誇る国と言えば、ご存知フランスの「TOP14」だ。日本からもかつては五郎丸歩が、現在は松島幸太朗が所属するように、リーグには世界中のトップ選手たちが集まる。

年俸1億円超のスター選手がズラリ

 彼らの年俸を見ればわかりやすい。公開されている上位の“高給取り”では、SOハンドレ・ポラード(モンペリエ/南アフリカ代表、元ドコモ)が118万ユーロ(約1億5500万円)、LOエベン・エツベス(トゥーロン/南アフリカ代表、元ドコモ)が106万ユーロ(約1億4000万円)、SOフィン・ラッセル(ラシン92/スコットランド代表)が100万ユーロ(約1億3000万円)といった具合だ。

 近年の日本と比べてみると、昨シーズンまでサントリーサンゴリアス(現・東京サンゴリアス)に所属したSO/FBボーデン・バレット(ニュージーランド代表)の1億2200万円、トヨタヴェルブリッツのFLマイケル・フーパー(オーストラリア代表)の1億1800万円。

 もちろん、選手たちは金銭面でのオファーだけでなく、達人レベルの選手たちとチームメイトとして共に戦い、そして達人レベルの選手たちを抱える相手チームとの戦いに惹かれてやってくる。

 全てプロ契約を結ぶTOP14と企業選手が今も在籍するリーグワンを比べるのは難しい側面もあるが、“世界最高峰の金満クラブ”たちと引けを取らない待遇を誇っているのだ。

【次ページ】 松島所属クレルモンのビジネスモデルは?

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松島幸太朗
五郎丸歩
ラグビーフランス代表
ASMクレルモン・オーヴェルニュ

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