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<ドラフト>“世代ナンバーワン投手”候補だった中京大中京・ 畔柳亨丞は日本ハム5位「プロに入れば順位は関係ない」 

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間淳

間淳Jun Aida

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posted2021/10/13 06:02

<ドラフト>“世代ナンバーワン投手”候補だった中京大中京・ 畔柳亨丞は日本ハム5位「プロに入れば順位は関係ない」<Number Web> photograph by Jun Aida

日本ハム5位指名を受けた畔柳亨丞。プロ入り後にその評価を覆せるか

畔柳が分析する「右腕違和感」の理由とは

 明豊(大分)に敗れた準決勝。2番手でマウンドに上がった畔柳は右腕に力が入らなくなり、わずか31球で降板した。そして、それから1カ月以上、ノースロー調整を強いられた。大きく報道されたのは、夏の甲子園の地方大会が近づいた6月。実戦3試合目となった東海大相模(神奈川)との招待試合で、3回無失点と好投した時だった。

 しかし今夏の愛知大会は、初先発した準決勝の愛工大名電戦で敗れて脇役に。夏の甲子園で復活した姿を披露できず、プロの評価を上げることもできなかった。

 スポットライトを浴びることなく高校野球に幕を下ろした畔柳だったが、実は進化を遂げていた。東海大相模との一戦の後、関西(岡山)との練習試合で自己最速を1キロ更新する152キロを計測。その他の練習試合でも、150キロを超える直球が増えている。さらに、投球の引き出しも増やしていた。

「投球の軸になるのが直球なのは変わりませんが、球数を減らしたい時に打者のタイミングやバットの芯を外す変化球が大切になります。センバツが終わってからは省エネを投球テーマにして、1球で打ち取る力をつけてきました」

 畔柳はセンバツで右腕に違和感が出た理由を疲労だと考えている。三振を奪える長所がある一方、変化球のコントロールが定まらず四球も多く球数がかさんでいた。そこで、上のレベル、次のステージに向け、畔柳はチェンジアップとカットボールを磨いていた。実戦でも手応えを掴んでいる。

同世代と戦えるのは光栄ですが、負けたくない

「上を目指す方が自分は燃えるタイプです。プロに入ればドラフトの順位は関係なく、横一線のスタートだと思っています。同世代と戦えるのは光栄ですが、負けたくないです。総合的に優れた日本を代表する投手になりたいです」

「5位」からのスタート。「1位」のライバルたちからは遅れを取ったように見えるかもしれない。今は「世代ナンバーワン」の称号を得られなくても、畔柳は焦らない。順位が“暫定”だったと証明すればいい。体をつくってプロの土台を固め、課題と自覚する変化球と制球力を磨く。日本を代表する投手への道筋は見えている。

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