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《ドラフト採点》西武は左腕2人と大学No.1捕手の指名で「90点」課題山積みの12球団最低評価のパ球団は?

posted2021/10/12 17:04

 
《ドラフト採点》西武は左腕2人と大学No.1捕手の指名で「90点」課題山積みの12球団最低評価のパ球団は?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

4球団強豪の末、西武ライオンズが指名権を獲得した西日本工業大・隅田知一郎(ちひろ)

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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2021年ドラフト会議では、12球団で育成指名を含めて計128名の選手たちが指名された。中継で解説を担当した“ご意見番”小関順二氏に各球団を採点してもらった。全2回のパ・リーグ編(セ・リーグ編へ)

オリックス・バファローズ 75点

 パ・リーグ各球団はチームの補強ポイントに沿った適切な指名をしている。

 オリックスが単独指名した椋木蓮(東北福祉大)チームにとって緊急に必要としているのは終盤を任せれるリリーフ投手。サイドハンドから最速154キロを投じる本格派で、大学選手権の共栄大戦に5番手として登板すると、154キロのストレートとスライダーを交えた力強いピッチングを展開した。

 最も注目したのは3位福永奨(国学院大・捕手)。現状のオリックスに最も足りないのは捕手だ。二盗を狙う走者を二塁送球1.7~1.8秒台の強肩で刺すシーンを何回も見たが、送球までの速さより、そもそも地肩が強い印象。経験を積んで正捕手争いに名乗りをあげてほしい。

 2位野口智哉(関西大・遊撃手)は若手の成長株である紅林弘太郎とポジションが重なるので、外野へのコンバートも考えられる。4位渡部遼人(慶應大・外野手)はバント安打のときの一塁到達タイムが3.5秒台という超俊足。リーグ最下位の盗塁数を何とかしようという思いが伝わってくる。

《指名一覧》
1位 椋木 蓮・投手(東北福祉大)右右
2位 野口 智哉・内野手(関西大)右左
3位 福永 奨・捕手(国学院大)右右
4位 渡部 遼人・外野手(慶應大)左左
5位 池田 陵真・外野手(大阪桐蔭高)右右
6位 横山 楓・投手(セガサミー)右両
7位 小木田 敦也・投手(TDK)右右
育1位 山中 尭之・外野手(BC・茨城)右右
育2位 園部 佳太・内野手(BC・福島)右右
育3位 大里 昂生・内野手(東北福祉大)右左

高校No.1小園の相棒を1位指名

千葉ロッテマリーンズ 70点

 1位で単独指名した松川虎生(市立和歌山・捕手)は、二塁への送球が2秒を切る強肩とセンバツ大会でも4安打したバッティングが超高校級の評価を受けていた。早いカウントから好球を見逃さず積極的に打っていくバッティングは最大の長所と言っていい。

 しかし、1位でいきなり入札したのには驚かされた。横手から投げる二塁スローイングは矯正課題。捕手が定まらないチーム事情を反映した指名だ。ただ4、5年後を睨んだ長期的視野には好感が持てるだけに、今後のドラフト戦略にも期待したい。

 2位池田来翔(国士舘大・内野手)は東都2部リーグで、という但し書きがつくが、4年春まで79安打している強打の二塁手。中村奨吾の後継者探しが始まった印象だ。3位廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)は即戦力候補のナンバーワン投手。守護神・益田直也の年齢的後退に備えた抑え候補だが、先発としても大きな可能性を秘める快速球投手だ。リリーフなら5位八木彬(三菱重工West)のほうに適性があるかもしれない。

《指名一覧》
1位 松川 虎生・捕手(市和歌山高)右右
2位 池田 来翔・内野手(国士舘大)右右
3位 廣畑 敦也・投手(三菱自動車倉敷オーシャンズ)右右
4位 秋山 正雲・投手(二松学舎大付高)左左
5位 八木 彬・投手(三菱重工West)右右
育1位 田中 楓基・投手(旭川実高)右右
育2位 速水 将大・内野手(BC・富山)右右
育3位 永島田 輝斗・投手(立花学園高)右右
育4位 村山 亮介・捕手(幕張総合高)右右

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