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巨人投手陣に“桑田革命”が進行中!? …QS率が急上昇(46.7%→79.2%)、原監督は「意識を植え付けた」
 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2021/04/23 12:25

巨人投手陣に“桑田革命”が進行中!? …QS率が急上昇(46.7%→79.2%)、原監督は「意識を植え付けた」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

マウンドで高梨雄平(背番号53)に言葉をかける桑田コーチ

「去年までのジャイアンツの戦い方というのは総力戦、チーム全員で相手に立ち向かって行って、誰かがピンチを迎えれば、それじゃあオレが代わりに、と次から次へとサポートする選手が出てくるというものだった」

 もちろん今年のチームスローガンも“1(ワン)チーム”で、チーム全員で戦うという、その思想は継続している。ただし監督がその中で求めるのは、選手の意識改革だった。

ソフトバンクに勝てるチームになるために

 サポートを前提として戦うのではなく、1人ひとりの選手が独立した意識を持つこと。そういう強い選手の集団を作り上げなければ、2年連続で4連敗という苦杯を舐めさせられたソフトバンクに勝てるチームにはならないという結論だったのである。

 そこで投手陣に対して出てきたのが、先発投手への“完投指令”だった。

「去年までは先発を任せた多くのピッチャーがとにかく5回まで投げることを考えてマウンドに立っているような感じだった。でもいまはその先を目指している。これは真澄がスタッフとして入って、最初に完投を目指そうという話をしたことが1つの契機だった」

 原監督はこう手応えを語る。

「真澄がスタッフとして入ったことで、投手陣は『どんな人なんだろう?』『どんな指導をするんだろう?』って、それこそ興味津々だったと思う。するといきなり『中6日で投げるならば、先発は完投を目指さなければならない』という話をした。そういう意識を最初に投手陣に植え付けたところからスタートしていると思いますね」

 ただ、桑田コーチが提唱した「1イニング15球で1試合135球での完投」というのは、そう簡単に実現できるものではない。

【次ページ】 先発陣のクオリティースタート率が上昇

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桑田真澄
原辰徳
読売ジャイアンツ

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