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戦力に劣るリーズがなぜプレミア中位に? ビエルサの“独自戦術”を愛弟子が詳細解説【前半戦総括】
 

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赤石晋一郎

赤石晋一郎Shinichiro Akaishi

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posted2021/02/20 11:01

戦力に劣るリーズがなぜプレミア中位に? ビエルサの“独自戦術”を愛弟子が詳細解説【前半戦総括】<Number Web> photograph by Getty Images

マンチェスター・ユナイテッド戦で、厳しい表情で指示を出すビエルサ

 ビエルサのサッカーではハイテンポで試合が展開される。スピーディーなプレー展開では上手い選手のプレーがより際立つという場合があるのだ。つまりトップチームの一流選手たちがリーズのハイテンポなサッカーに釣られるようにハイテンションにプレーした結果、ポテンシャルが発揮されてゴールを次々と決められてしまうことがある。

ポゼッションで上回っての敗戦も少なくない

 第11節のチェルシー戦(1-3の敗戦)、第17節のトッテナム戦(0-3の敗戦)も同じような展開だった。リーズらしい攻撃構築が出来ていたものの、相手のハイパフォーマンスにより得点を決められてしまい敗戦するという形である。ボールポゼッションで上回りながらも敗戦する試合も少なくない。「成長のプロセス」を重視するビエルサが後半戦でどう対処してくるか、果たして勝利することが出来るのかは注目のポイントとなろう。

 ビエルサは23節クリスタルパレス戦後の会見でこう述べている。

「チャンピオンシップで優勝したという事実は過去です。私たちは今、プレミアリーグに足を踏み入れました。できるだけ自然にプレーし、このプレミアリーグに入るに値するチームであることを示すことが必要なのです」

 リーズ・ユナイテッドは23節を終えた時点で、10勝10敗2分け(消化は22試合)の10位につけた。トップ10入りは昇格チームとしては上々の結果だ。

 果たして後半戦で再びビエルサ率いるリーズ・ユナイテッドは旋風を巻き起こすことが出来るのか。引続き注視していきたい──。

(敬称略)

 【取材協力】株式会社 MRH&CANTERA

〈参考文献〉

『ビエルサの狂気』(ベースボールマガジン社)

『leedsunited.com』、『Leeds Live』、『GOAL.COM』、『OLE.COM.AR』他

荒川友康(あらかわ・ゆうこう)

サッカー指導者。アルゼンチンで複数のチームや滝川第二高校での指導を経て、ジェフ千葉・育成コーチ、京都サンガ・トップチームコーチ、FC町田ゼルビアトップチームコーチなどを歴任。ビエルサのみならず、Jリーグでもアルディレスなどの名将の元で働く。アルゼンチンサッカー協会認定のS級ライセンスを所持。FCトレーロス所属。

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荒川友康

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