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名守護神カーンが今や名取締役 「成功だけが数えられる」バイエルン、5冠後も進化する規律と伝統

posted2021/01/07 11:01

 
名守護神カーンが今や名取締役 「成功だけが数えられる」バイエルン、5冠後も進化する規律と伝統<Number Web> photograph by Getty Images

5冠後も安定した強さを見せるバイエルン。カーンらフロントも一枚岩だ

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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 2020年のバイエルンはとにかく強かった。獲得したタイトルはブンデスリーガ、ドイツカップ、チャンピオンズリーグ、UFEAスーパーカップ、ドイツスーパーカップと、全部で5つ。

 また、チームの戦績だけではない。FIFA選定の年間最優秀GKにマヌエル・ノイアー、ベストイレブンにアルフォンソ・デイビス、チアゴ・アルカンタラ(現リバプール)、ヨシュア・キミッヒ、ロベルト・レバンドフスキ、そして最優秀選手にレバンドフスキが選出された。昨年は、レバンドフスキの年だったと言って差し支えないだろう。

 32歳ながら年齢的な衰えはまるで感じさせず、それどころかさらに成長を続けている。12月19日の第13節、レバークーゼンとの首位決戦では同点弾と決勝弾をマーク。チームを順位表の一番上へと引き上げる貫禄の活躍を見せた。

 決勝点は、試合終了の数秒前に生まれている。レバークーゼンDFヨナタン・ターによる致命的なトラップミスが引き金になったものではあるが、ボールカットしたキミッヒからのパスを受けると、終盤ギリギリという状況にもかかわらず、必死に守りにくる相手DFを落ち着き払った切り返しで外し、右足シュートをゴールへ流し込んだ。「あのシーンではもうシンプルにゴールを決めようとしたんだ」と試合後に振り返っていたが、あまりにも簡単にゴールを決めていく一連の動作は、恐ろしく滑らかだった。

レバンドフスキの得点ペースが昨季以上

 昨シーズンのレバンドフスキは31試合出場34得点で得点王に輝いている。これ以上の数字はなかなか出ないと思われていたが、今季は14試合を終えて19得点(出場13試合)を決めている。前人未到と言われるシーズン40得点が現実的な目標とさえ思えるのだから、次元の違いを感じてしまう。

 本人のモチベーションは最高レベル。最優秀選手受賞後には「世界最高選手というのはセンセーショナルなこと。とても誇りに思う。今夜は眠ることが難しいだろうね」と喜びのコメントを残していた。だが、それで満足したりはしない。勝ち取ったタイトルが情熱を冷ますことなんてない。むしろ、勝ち取れば勝ち取るほど次への意欲を燃やしていく。

「僕たちはもっと先を求めている。来年になってもそうだ。僕もこれからももっともっとゴールを決めていきたい」

 尽きることのない野心と向上心、そして、貪欲なまでの勝利へのこだわり。それこそが“バイエルンDNA”というものだろうか。

【次ページ】 ゴレツカ「疲れは言い訳にはならない」

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