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ブンデス再開、無観客の実況をして。
倉敷保雄が語るJリーグ中継の難しさ。
text by
いとうやまねYamane Ito
photograph byGetty Images,Ito Yamane(in the article)
posted2020/05/23 11:50
5月16日、再開されたブンデスリーガで、無観客のなか行われたドルトムント対シャルケ。伝統の「レヴィア・ダービー」らしい熱気はなかった。
Jリーグという文化とサポーターをどう守るのか。
――ブンデスの再開を実況して、Jリーグの参考になるような事は何かありましたか。
「ドイツが作ったようなプロトコルを早くJリーグでも発表し、示してほしい。プロ野球と合同で制作することになるのでしょうが、外出規制など行動規制の解除には地域によってバラツキがあるので、練習の再開などを各クラブに任せてしまうと、問題が起きたときに後手に回る危険があります。
ただ、ブンデスはPCR検査を頻繁にしているので再開できました。日本で同じアプローチはできないでしょう。お金もたくさん必要ですし、J3までやるとしたらとんでもない数になってしまいます。Jリーグはドイツとは違ったプロトコルを作る必要があります。
Jリーグという文化と財産であるサポーターをどう守るのか。一刻も早く、クラブとサポーターへ向けて、コロナ問題が続くであろうこれからの数シーズンを乗り越えていくための、完成度の高いマニュアルをお願いしたいと思います。
おそらくJリーグも無観客になるでしょう。でも、日本のサポーターは無観客でもこんなに工夫してサッカーを楽しんでいる、というのを世界に発信できたらいいですね。「かわいい」は世界共通の言葉になりました。これまでに培ったJリーグの文化を、コロナでもこんなに楽しめる日本のサッカーとしてアピールできたら、日本はサッカー先進国の仲間入りができるのではないでしょうか」