Jリーグに来て年俸が大幅増。

　イニエスタは、メッシ以上に日本人にとって親近感わくスーパースターである。日本人と変わらない体格なのにフィジカルエリートを翻弄し続けた姿は「柔よく剛を制す」だし、冷静なゲームメークは「人を立てる」を体現している。地下鉄に乗って通勤客が誰も気づかないくらいの慎ましさもそうだ。

　そんな彼が、Jリーグに来たことで“真のワールドクラス”にふさわしい年俸を受け取るようになった。日本のサッカーファンとしてみれば、こんなに誇らしいことはない。またヴィッセルが提示した額は、市場価値が跳ねあがっている世界の潮流にのっとっているとも言える。

　この流れ、Jリーグ全体に波及してほしいな、とも思う。日本人選手が待遇アップとなれば、プロを目指す選手たちに大きなモチベーションとなるはず。

　それとともにヨーロッパのメガクラブと勝負できる年俸を出すクラブが増えて、イニエスタやポドルスキ、フェルナンド・トーレスに続くビッグネームを日本で見られるなら……1人の取材者、いやJリーグ好きとして大歓迎である。