プレミアリーグの時間BACK NUMBER

ジェラードがレンジャーズ監督就任。
経営破綻後の名門、どう立て直す? 

text by

山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2018/05/13 11:30

ジェラードがレンジャーズ監督就任。経営破綻後の名門、どう立て直す?<Number Web> photograph by Getty Images

リバプールの絶対的存在として君臨したジェラード。指導者としてのファーストステップはスコットランドを選んだ。

ジェラードは「望むところだ」。

 それでもジェラード本人は力強い。仕事始めが「待ちきれない」と言い、格差が開いたライバル対決を「望むところだ」とし、勝利を求められる「プレッシャーが恋しかった」と、会見の席で次から次へと男気ある発言を発している。

 新監督が持つ強靭なメンタルに選手たちが感化されれば、結果はともかく、不甲斐ない敗戦内容は改善されていきそうだ。元リバプールの英雄らしく、「能力レベルも情熱レベルも高いサッカーでファンを沸かせたい」と話す通り、まずは「勝利への執念とハードワーク」の部分からチームを鍛え直す意向だ。

 その変化が来季のピッチ上で見られれば、「大物」の監督就任に沸くファンは、5万人収容のアイブロックス・スタジアムを埋め尽くして、強烈に後押しするに違いない。

リバプール時代の先輩が助監督に。

 またジェラードにとっては、リバプール時代の先輩にあたるガリー・マカリスターの助監督就任は賢い人選だと言える。

 現役時代からチームメイトのよき相談役だったスコットランド人のマカリスターは、主にイングランド2部リーグでの監督経験や、マザウェルでの祖国プレミア選手経験などもあるだけに、助言を仰ぐことのできる心強い補佐官となるだろう。

 ちなみに、ジェラードはマカリスターを「ナンバー2」と呼ぶことを会見の席で嫌った。監督としての経験不足を認めつつ、「自分のチームスタッフに上下はない」とする発言は、テレビ解説者としての姿からも感じ取ることができた、謙虚で礼儀正しく、実直な人柄を改めて思わせるものでもあった。

 ワールドクラスの選手としての実績と知識に、こうした人間的な強さと魅力を併せ持つジェラードであれば、若葉マークの一軍監督であったとしても、選手たちの心は十分掴めるようにも思える。

 では実際に、一軍での采配未経験の若手監督がいきなり成果をもたらすことなどできるのかというと、前例がないわけではない。

【次ページ】 31歳で指揮を執ったハウ監督の好例。

BACK 1 2 3 4 NEXT
スティーブン・ジェラード
レンジャーズ
リバプール

ページトップ