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ジェラードがレンジャーズ監督就任。
経営破綻後の名門、どう立て直す? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2018/05/13 11:30

ジェラードがレンジャーズ監督就任。経営破綻後の名門、どう立て直す?<Number Web> photograph by Getty Images

リバプールの絶対的存在として君臨したジェラード。指導者としてのファーストステップはスコットランドを選んだ。

31歳で指揮を執ったハウ監督の好例。

 例えば昨年2月の監督交代時、レンジャーズファンの間で候補として挙がっていた、エディー・ハウ(現ボーンマス)が好例だ。ボーンマスの指揮官に就任した'08年、ハウはユースでの指導経験しか持たず、年齢も現在37歳のジェラードより若く、フットボールリーグ(2~4部)史上最年少となる31歳の初心者監督だった。

 おまけにクラブは経営破綻で4部に落ちていた真っ只中。降格でセミプロ落ちとなればクラブ消滅というプレッシャーは、マイナークラブであっても新監督には巨大だったに違いない。何よりハウがチームを引き継いだ時は、債務不履行などで17ポイント剥奪の制裁を受け、24チーム中23位の降格圏内だったのだ。

 それでもハウは粘り強くボーンマスを残留に導くと、就任2年目には3部昇格、5年目には2部にステップアップ。7年目には2部王者としてクラブ史上初のプレミア昇格まで実現している。

 途中で引き抜かれたバーンリー(当時2部)での1年8カ月間を除けば、1度目の就任から5年強の間に、4部23位から2部首位まで、通算70ランク順位を上げたことになる。ジェラードが4年間の任期内に、就任発表時の3位から1位へとレンジャーズを押し上げても、何ら不思議ではない。

ナーゲルスマンら若手監督に続けるか。

 国外に目を向ければ、2年ほど前にブンデスリーガ史上最年少の28歳でホッフェンハイムの監督となった、ユリアン・ナーゲルスマンがいる。一軍監督初挑戦だった前U-19チーム監督は、シーズン終盤に受け継いだチームを残留争いの泥沼から救い出した。さらに翌シーズンにはトップ4入りを実現し、ホッフェンハイムにクラブ史上初のCL出場権をもたらしている。

 ハウやナーゲルスマンが証明しているように、一軍実績のない若手監督でも、厳しい状況のなかで即座に結果を出し、チームと共に指揮官として急成長するのは可能というわけだ。そして、彼らが成功した要因である、誠実、懸命、知的なアプローチは、「経験のなさが問題だとは思わない」と毅然と語るジェラードにも共通のように思える。

 来年の今頃には、ジェラードは凄い監督だと思わせてもらいたいものだ。

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