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王者の輝きあり、伏兵の大健闘あり。
10大ネタで今季ブンデスを振り返る。

posted2018/05/11 16:30

 
王者の輝きあり、伏兵の大健闘あり。10大ネタで今季ブンデスを振り返る。<Number Web> photograph by Getty Images

バイエルンがマイスターシャーレを掲げるのは見慣れた光景だが、今季ブンデスでは様々なトピックスが起きていた!

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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 2017-18シーズンのブンデスリーガも最終節を残すのみとなった。来季の開幕戦は今季より1週間遅れの8月24日で、シーズンオフは3カ月以上に及ぶ。トップリーグ参入を懸けた1部16位と2部3位によるプレーオフ(第1戦が5月17日、第2戦が同21日)、5月19日のDFBポカール決勝(バイエルン対フランクフルト)が終われば、ドイツサッカー界は“ワールドカップ・モード”にシフトチェンジするだろう。

 当コラムで今シーズンを総括するには、今回がちょうどいいタイミングかもしれない。シンプルに時系列で追うのは芸がないので、独断ながら10大ニュースという形で今季のブンデスリーガを振り返ってみよう。

団結して勝利を掴んだバイエルン。

<1.絶対王者バイエルンの6連覇>

 圧倒的な強さを改めて誇示したのがバイエルンだ。カルロ・アンチェロッティ前監督の下でスタートダッシュに失敗したものの、第8節のフライブルク戦から指揮を執ったユップ・ハインケス監督が立て直しに成功し、5試合を残した時点で6連覇を決めた。最終節を迎える前の時点で、勝点は昨シーズン以上の「84」に到達。2位シャルケとの間には20ポイント以上の開きがあり、長きに渡る“一強体制”をさらに盤石なものにした。

 バイエルン、そしてリーグ全体のMVPを選出するなら、ロベルト・レバンドフスキで決まりだろう。2シーズンぶりとなる得点王が決定的で、大半の選手が調子を落としていたシーズン序盤もコンスタントにゴールを奪った。このエースに続くのはマッツ・フンメルス、スベン・ウルライヒ、トーマス・ミュラー、ハメス・ロドリゲス、ヨシュア・キミッヒあたりか。

 なかでも特筆に値するのはウルライヒで、左足中足骨の骨折でほぼ全休した守護神マヌエル・ノイアーの穴を埋めるという嬉しいサプライズを提供した。

 絶対王者が強すぎるがゆえに、様々なリーグ改革案が持ち上がっているのは以前の当コラムで紹介したとおり。もちろん、バイエルンに非はない。キングスレー・コマンら若手からベテランのフランク・リベリー、アリエン・ロッベンまで、ピッチで躍動した選手たちもさることながら、イタリアの名将にスパッと見切りをつけて、監督業を退いていたハインケスを呼び戻す“ウルトラC”でチームを蘇生させたフロントも含め、クラブ全体で勝利を掴んだ。

 来季は、フランクフルトで声価を高めたニコ・コバチを新監督に迎え入れる。

【次ページ】 シャルケは躍進、ドルトは……。

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