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平山相太の愛されすぎ“怪物伝説”。
マック禁止、看板キック、投げキス。 

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木本新也

木本新也Shinya Kimoto

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photograph byGetty Images

posted2018/03/07 17:00

平山相太の愛されすぎ“怪物伝説”。マック禁止、看板キック、投げキス。<Number Web> photograph by Getty Images

規格外の体格と、言動。将来を嘱望された頃とは違う立ち位置だが、平山もまた日本サッカーの1ページに刻まれる選手だ。

投げキスに同僚から「キモい」と酷評。

 天然か、計算か。堂々の“ホームシック宣言”が象徴するように、その言動がとにかく笑えた。'06年10月7日の名古屋戦でJリーグ初得点を決めた際は、ゴール後のパフォーマンスでスポンサー看板をキックして破壊した。

 この一件でクラブから厳重注意を受け、パフォーマンスを「投げキス」に変更したが、伊野波雅彦、梶山陽平らチームメートに「キモい」と酷評された。この評判から封印を余儀なくされた際、“どや顔”でこう言われた記憶がある。

「みんなに相当“キモい”って言われました。僕は傷ついています」

 実は注目を浴びて、してやったりだったのだろうか。

浦和戦を前に髪を赤く染めるとか……。

 '06年11月9日にU-21代表の韓国遠征メンバーから落選した際は「焼き肉を食べたかった」と本筋からずれたところで悔しがった。

 同25日には「気分転換。赤が好きなので」と、髪を赤く染めて練習に姿を見せたが、次節は浦和戦。相手のチームカラーだったため、当時の倉又寿雄監督は絶句していた。

 ダイエット指令を受けていた'07年2月14日の練習後には、バレンタインデーにもかかわらずファンからチョコレートを1つももらえなかったが、「減量にはプラス」と強がった。なおヘラクレス退団後に「オランダ人は芋と草ばかりを食べている」と発言し、オランダ大使館から抗議を受けたこともある。

 そして'08年2月にU-23代表の米国遠征から帰国し、成田空港内の売店に直行したときのこと。目当ての漫画雑誌を探し、「ない!」とショックを受けた後、ロス疑惑の三浦和義容疑者逮捕の記事が1面を飾ったスポーツ紙を見て、「え?」と呆然。

 尊敬する横浜FCのFW三浦知良と人違いであることが分かると、「ロス疑惑? 知らないです。生まれてないもん……」と頭をかいた。

【次ページ】 それでも平山は大一番で輝く男だった。

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