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W杯抽選会と日本の“5つの法則”。
ハリルJ、最良と最悪の組み合わせは?
 

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手嶋真彦

手嶋真彦Masahiko Tejima

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posted2017/11/27 12:15

W杯抽選会と日本の“5つの法則”。ハリルJ、最良と最悪の組み合わせは?<Number Web> photograph by Getty Images

ただポット1、2でも希望を持てそうな国はある。ハリルホジッチ監督のクジ運や、いかに――。

北アフリカ勢と好相性、最良&最悪のシナリオは?

 ロシアW杯のグループリーグで日本と対戦する可能性があるアフリカ3カ国との直接対決を調べると、vs.チュニジアが4戦4勝(対戦年は'96年、'02年、'03年、'15年。以下同じ)、vs.エジプトが2戦2勝('98年、'07年)、vs.セネガルは3戦1分2敗('87年、'01年、'03年)という戦績だ。北アフリカ勢(チュニジア、エジプト)とは6戦全勝で、相性が抜群に良い(法則5)と、数字は物語る。

 5つの法則と最新の情勢から、12月1日の組分け抽選会を占えば、日本のベストシナリオとワーストシナリオは次のようになる。

<ワーストシナリオ(グループリーグの突破が極めて困難と予想できる組み合わせ)>
(1)ブラジル(アルゼンチン)+スペイン+セネガル+日本
(2)ドイツ(フランス)+ウルグアイ(コロンビア)+セネガル+日本
(3)ドイツ+スペイン+チュニジア+日本

<ベストシナリオ(グループリーグの突破が想像できる組み合わせ)>
ポーランド(ロシア)+スイス+チュニジア+日本

ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイは勘弁。

 避けたいのは南米勢との同居。なかでも絶対に引いてはいけない籤(くじ)がブラジルだ。これまでに12戦して日本の2分10敗、5得点34失点。過去10年に限ると4戦全敗、1得点14失点だ。しかもネイマールを擁するブラジルのモチベーションは、計測できるメーターがあれば、振り切れるほどに高いだろう。前回の'14年大会は自国開催のW杯というこれ以上ない晴れ舞台で、ドイツに1-7の惨敗を喫している。王国の威光を取り戻すべく、どのような意気込みで臨んでくるか、想像するだけで恐ろしい。

 アルゼンチンとは通算8戦で1勝7敗、4得点16失点。日本が唯一の勝利を記録したのは'10年10月8日で、リオネル・メッシやカルロス・テベスなど主力が先発したアルゼンチンを破っている。とはいえ、あくまで親善試合の1勝と考えておいたほうがよく、本気の度合いが違うW杯では、少なくともグループリーグでは避けておきたい列強のひとつだ。

 ウルグアイとは過去10年が3戦全敗、3得点9失点。コロンビアとは通算が3戦1分2敗(対戦年は'03年、'07年、'14年)、1得点5失点。どちらも嫌な相手だが、より破壊力が高いのはルイス・スアレスとエディンソン・カバーニが2トップを組むウルグアイか。

 できれば避けたいのは、過去のグループリーグ敗退率が100%となっている「南米+欧州+α」の組み合わせで、ポット1がブラジル(アルゼンチン)の場合はスペインが、ポット2がウルグアイ(コロンビア)の場合はドイツがワーストのセットとなるだろう。前回王者のドイツはW杯連覇に十分の現実味があり、欧州予選でイタリアを叩きのめしたスペインは新陳代謝がうまくいっている。ドイツ、ブラジル、スペイン、アルゼンチンとともに、優勝候補に含まれるフランスも同居したくない極め付きの難敵だ。

【次ページ】 実は強豪よりも避けたいのは「2強2弱」?

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