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W杯抽選会と日本の“5つの法則”。
ハリルJ、最良と最悪の組み合わせは?
 

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手嶋真彦

手嶋真彦Masahiko Tejima

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photograph byGetty Images

posted2017/11/27 12:15

W杯抽選会と日本の“5つの法則”。ハリルJ、最良と最悪の組み合わせは?<Number Web> photograph by Getty Images

ただポット1、2でも希望を持てそうな国はある。ハリルホジッチ監督のクジ運や、いかに――。

厳しい組み合わせでも希望を持てそうな国は……?

 しかし、これが本当にベストシナリオなのか、という疑問は否めない。実際にポーランド+スイス+チュニジア+日本という組み合わせになったとしよう。抽選会の12月1日から大会開幕までの半年以上、この組み合わせで心底からワクワクできるだろうか?

 ロシア+スイス+チュニジア+日本でも大差はない。開幕が待ち遠しくなるのは、どんな結果になろうと、ブラジル+スペイン+セネガル+日本のほうではないか。ベストとワーストは、実は逆ではないのだろうか――。

 そこでだ。最後に第3のシナリオを描いておきたい。かなり厳しい組分けだが、勝ち抜けの希望をそれなりに持てる、そして大いにワクワクできる抽選結果とは――。

<第3のシナリオ>
ポルトガル+イングランド+エジプト(コスタリカ)+日本

新星が居並ぶポルトガル、イングランド。

 ユーロ2016を制したポルトガルの国際主要大会初優勝は、それこそ組み合わせに恵まれた幸運の賜物でもあった。いまだ世代交代中で過渡期に映るイングランドもまた、ロシアW杯の優勝候補とまでは言い難い。ドイツやスペインとは異なり、ひょっとすると、という期待は抱けるだろう。

 ポルトガルと同じポット1ではベルギーも候補となるが、先日の強化試合で顔を合わせたばかりで、いわば対戦の新鮮味で劣る。その点、日本とポルトガルは過去に一度も試合をしたことがない。初顔合わせは、初顔合わせだからこそ盛り上がり、金星の可能性も高くなるはずだ。イングランドのデル・アリやポルトガルのベルナルド・シウバなど両国にはニュースター候補も多く、ワクワクさせてくれるのはド派手なスーパースターのクリスティアーノ・ロナウドだけではない。

 ポット3からは、'14年W杯で大旋風を巻き起こしたコスタリカでもいいだろう。グループリーグでイタリアとウルグアイを倒し、準々決勝は延長、PK戦の末に敗れたとはいえオランダを苦しめたという実績が、日本戦の宣伝効果を大きく高めるはずだ。

 W杯優勝4回のイタリアが予選敗退というまさかの結末ゆえに、多くの人々の琴線に触れたのが、ブッフォンの涙だった。本大会に駒を進めた日本代表には、観る者たちの心を動かし、胸を打つそんな戦いを望みたい。だからこそ、12月1日の抽選会での“幸運”を、やはり祈らずにはいられないのだ。

果たして日本が挑むことになるグループリーグの対戦相手の現状は? ロシアW杯に挑む「W杯出場32カ国格付ファイル」を掲載したNumber940号で是非お読みください。
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ジャンルイジ・ブッフォン
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