先に失点し、どうしてもファウルが増えてしまう現状。

「イエローの数が増えているのは、自分たちも感じているところ。上手く対応できていないですし、先に失点してしまう試合が多いのも問題。リードされるとどうしても奪いに行かなくちゃいけないので、余計なファウルが増えてしまっています。先に点が取れれば、そんなに激しく奪いに行かなくてもいいですからね」（千葉）

　良いと思われたデータも、そうでなかったデータも、その背景を精査すれば、ネガティブな状況が浮かび上がってきた。

森崎は、データにはあまり意味が無いと答えたが……。

「データははっきり言って関係ないですね」

　そう語るのは、森崎和幸だった。

　川崎F戦ではピッチに立つ機会はなかったものの、長年チームを支える広島の“頭脳”は、チームの現状を語るうえでうってつけ人材である。

　森崎にも統計データを見てもらったが、そのリアクションは千葉と同じだった。

　パス本数が増えようが、クロスの本数が増えようが、30メートル進入回数が増えようが（40.6回→49.2回）、数字には、さしたる意味を感じてはいない。

「アタッキングサードに入っても、慌てて奪われたりとか、良いクロスが何本か入っても、飛び込みが甘かったりとか。最後の動きの質だったり、そういう部分が足りないのかなと思います」

　なにより今の広島の最大の課題は、得点を奪えないこと。

　シュート数はさほど変わっていないのに、得点の数が大幅に減っているのは（2.1点→0.9点）、前線のタレントの問題と結論付けていいのだろうか。

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