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勝点63のG大阪が2位、72の浦和が3位。
その順位表にサッカーへの愛はあるか。
posted2015/12/11 10:50
text by
近藤篤Atsushi Kondo
photograph by
Atsushi Kondo
11年ぶりに復活した不可思議なチャンピオンシップは、サンフレッチェ広島の勝利で幕を閉じた。
広島が勝ってよかった。誰もがそう言う。もしかしたら、ガンバ大阪のファンでもそう思った人がいるかも知れない。理由は一つだ。これで広島が負けたら洒落にならなかったから、である。
実際のところ、広島にも負ける可能性はあった。もしオ・ジェソクの軽率な退場がなかったら、CSはどんな風に展開していたのだろうか? セカンドステージ優勝、年間1位、勝ち点74、得点73、失点30。歴史的とも言える数字を残したチームがもし、でもJリーグ王者ではないんです、となってしまっていたら、今頃僕たちサッカーファンはどんな議論を交わしているのだろうか?
サッカーに対する愛情を欠いたように見える順位表。
例えば、こんなことだって起こり得たのだ。
JリーグのオフィシャルHPを訪ねて、順位表のところをクリックしてみてほしい。1秒も経たぬ間に、目の前には世にも奇妙な年間順位表が現れる。1位サンフレッチェ広島、勝点は74。2位ガンバ大阪、勝点63。そして3位浦和レッズ、勝点は72。
もしガンバ大阪がCSで勝利していたら、この順位表はこう変わることになっていた。1位ガンバ大阪、勝点63、2位サンフレッチェ広島、勝点74、3位浦和レッズ、勝点72。(この場合、最優秀監督賞は森保一ではなく長谷川健太へ与えられたのだろうか?)
長いサッカーの歴史の中で、こんな順位表を目にする人類はたぶん僕たちが初めてだろう。
保守的で、サッカーに関しては古い価値観にすがりついている僕にとって、この順位表はサッカーに対する愛情を欠いた、ただの悪い冗談にしか見えない。
あるいは、これは伝説の起業家ピーター・ティールが言うところの、賛成する人がほとんどいない大切な真実、なのだろうか。停滞したJリーグを活性化する鍵は、この不可思議な順位表に隠されているのだろうか? ここから明るい未来が始まるのだろうか?