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プチ鹿島、9月のスポーツ新聞世相。
MVPは桐谷美玲(元ラグビー部マネ)。
 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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posted2015/09/29 10:45

プチ鹿島、9月のスポーツ新聞世相。MVPは桐谷美玲(元ラグビー部マネ)。<Number Web> photograph by Getty Images

南ア戦は地上波テレビでの生中継がされなかったという、不思議な一戦としても記憶された。

ラグビー日本代表をニンジャにした男とは?

「ラグビーW杯明日開幕 エディーに注入 世界のTK流 忍術」(9月19日付・東スポWeb)

 ラグビー日本代表のスポットコーチとして「世界のTK」こと元総合格闘家の高阪剛が3年間フィットネス指導を行っていたことを詳しく報じたのだ。

 エディー・ジョーンズヘッドコーチが日本代表につけたキャッチフレーズのひとつ「ニンジャ・ボディー」の意味は、「狭いスペースでも機敏に動ける忍者のような身体能力を兼ね備える」というもの。高阪氏はそのビジョンを任されたという。

 高阪氏の重点指導項目は「低いタックル」と「低い姿勢を保つフィットネス」「相手に向かっていく気持ちの強さ」だった。今回見事に“世界のTK”のコーチが実を結んだのだ。素晴らしい!

 こうなると盛り上がるのがラグビー人気だろう。

 つい先日まで「ラグビーW杯」といえば迷走する「新国立競技場」ニュースで登場していた。世論の批判もあり「新国立見直し、デザイン変更へ ラグビーW杯使用断念」という結果になった。選手たちは何も悪いことはしていないのに「ラグビーW杯」と聞くとすっかりザワザワするイメージにあった。

 しかし今回、日本代表の選手たちは南アフリカを破るという明るいニュースで、2019年のラグビーW杯日本大会へのイメージすら一気に変えたのである。これも「大逆転トライ」ではなかったか。

ヤクルトは日刊ゲンダイを出しぬいた!?

 さて9月と言えばスポーツ紙の華、プロ野球も大詰め。というかパ・リーグではソフトバンクホークスが早々に優勝を17日に決めた。工藤公康監督は就任1年目で堂々のV。そのあまりの強さに日刊ゲンダイは「今年は日本シリーズなんて必要あるか」「リーグ史上最速優勝のソフトバンクには巨人だろうが阪神だろうが恐らく歯が立たない」(9月17日付)という「警鐘記事」を掲載。

 たしかにセ・リーグは、どこがホントに強いのかこの時期になってもよくわからない大混戦。ゲンダイが「巨人だろうが阪神だろうが」と見出しに入れなかったヤクルトが急浮上の展開になった。バレンティンが9月18日に復帰し「川端、山田、畠山、バレンティン、雄平」という、タフマンを何本飲んだらこうなるのかという打線が実現。この破壊力と勢いならソフトバンクとやっても面白いかも。

【次ページ】 三木谷オーナーの“昭和な匂い”。

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