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セレクトセール合計額は5年前の倍。
オルフェの初年度産駒は8000万も! 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byAkihiro Shimada

posted2015/07/18 11:00

セレクトセール合計額は5年前の倍。オルフェの初年度産駒は8000万も!<Number Web> photograph by Akihiro Shimada

オルフェーヴルの初年度産駒、カリフォルニアネクター2015は8000万円で落札された。実績のない初年度にここまでの金額が出るのは、大きな期待の証である。

目玉はオルフェーヴルの初年度産駒。

 2日目の当歳馬のセリには欠場馬を除く232頭が上場され、184頭が落札された。

 目玉は'11年に三冠馬となり、'12、'13年と2年連続凱旋門賞で2着となったオルフェーヴルの初年度産駒。欠場した2頭を除く17頭が上場された。そのうちの1頭が、この日の最初のセリに登場するという、バイヤー心理を巧みにくすぐるラインナップが組まれた。

 朝10時のセリ開始の前に、オルフェの主戦騎手だった池添謙一の姿があった。

「きょう最初に上場される産駒から見たかったので、早く来ました。当歳馬を見ても可愛いと思うだけで、競走馬として走るかどうかを見極める目は、ぼくにはありません。それでもやはり、先々が楽しみですね」

 熱い視線が注がれるなか、父のオルフェーヴルと同じ栗毛の牡馬、カリフォルニアネクターの2015がトップバッターとして現れた。4000万円からスタートし、8000万円で鑑定人のハンマーが打ち下ろされた。落札者は「ダノン」の冠名で知られる(株)ダノックス。野田順弘会長は、「馬っぷりがよく、気に入りました。上(ダノンアイリス)も持っているし、1番目に出てきたナンバーワンということで、いいんじゃないですか」と笑顔で話した。

 父のステイゴールドが今年2月に急逝したため、オルフェはその後継種牡馬としても期待されている。産駒の全体的な特徴を、現役時代に管理した池江泰寿調教師はこう語る。

「オルフェの当歳時よりも体の大きい馬が多い。骨格がしっかりしていて、筋肉質。繁殖牝馬のレベルも高いので、絶対に走ってくると思います」

 上場された17頭のオルフェ産駒のうち、主取りは4頭のみ。1億円を超える馬は出なかったが8000万円台が3頭で、平均価格は全体の3298万円を上回る4108万円。

当歳馬の1億超え7頭中、4頭がディープ産駒だった。

 そのほか、短距離王ロードカナロア、'10年のダービー馬エイシンフラッシュ、ドイツの最強馬ノヴェリストなどの初年度産駒も注目されたが、オルフェのように8000万円台で落札されることはなかった。ロードカナロア産駒の最高落札額は6600万円、エイシンフラッシュは5200万円、ノヴェリストは3700万円。種牡馬としてのスタートでも、オルフェがライバルたちを圧倒する形になった。

 2日目に落札額が1億円を超えたのは7頭で、最高落札額となったのはウィーミスフランキーの2015(牝、父ディープインパクト)。(株)ダノックスが1億8000万円で落札した。

 1億円超えの7頭のうち4頭がディープ産駒だった。

【次ページ】 日本馬のレベルアップで、合計金額は5年前の2倍以上。

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