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なぜ門別競馬場は黒字化できたのか。
ネットの力と、馬産地独自の魅力。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byAkihiro Shimada

posted2015/07/25 08:00

なぜ門別競馬場は黒字化できたのか。ネットの力と、馬産地独自の魅力。<Number Web> photograph by Akihiro Shimada

門別競馬場の直線にはモニターもあるが、やはり全体に暗いことは否めない。照明の増設が望まれるところだ。

 西の空が茜色に染まり、場内に照明が灯った。ジンギスカンの香ばしい匂いが流れるなか、パドックに出走馬が曳かれてくる。馬たちは、手を伸ばせば届きそうなほど近くを、のんびり歩いている――。

 北海道日高町の門別競馬場。周辺に多くのサラブレッド生産牧場があるここは、「馬産地競馬」の舞台になっている。

 先日、その門別競馬場に関して、次のようなニュースが舞い込んできた。

 門別競馬場を運営するホッカイドウ競馬が、平成25(2013)年度、26年度と2年連続黒字を計上し、繰上充用(翌年度歳入からの前借り)を必要としない黒字体質への転換に成功した、というのだ。

「売れている」と聞けば、気になるものだ。ならば行ってみるか、と、4年ぶりに門別競馬場を訪ねた。

 札幌からクルマで1時間と少し。駐車場も入場料も無料。入場料が無料になったのは、前に私が来た平成23年からだという。東日本大震災があった年である。

地元で人気のお洒落な店が入り、若者に人気に。

 コースは地方競馬にしては広く、1周1600メートル。東京の大井競馬場と同じだ。

 しかしスタンドは小ぶりで、収容人員はAスタンドが500人、新しいポラリススタンドが800人。もともとここは調教施設で、さほど多くの人が来場しないという前提でつくられたようだ。

 そのポラリススタンドに去年から、地元で人気の「小径カフェ」「いずみ食堂」といった洒落た店が入り、若い客が、飲み食いしながら競馬新聞をひろげている。私も小径カフェでハンバーグプレートを注文した。さすがに人気店だけあって美味い。

 屋外の広場にはジンギスカンを味わっている家族連れもいて、近くにあるコテージのようなスーベニアショップでは、Tシャツやステッカーなどの馬グッズのほか、勝負服のデザインがあしらわれたクッキーなども売っている。

 そのほか、札幌から無料の送迎バスが用意されていたり、牝馬限定重賞開催日が「レディースDAY」となり、ボディジュエリーアートや紅茶教室を無料で体験できるなど、ラチのこちら側でファンが楽しめる環境が、実によく整備されている。

【次ページ】 コースも新設、照明増設も検討中。

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