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都市対抗のドラフト候補45人を紹介!
“東高西低”の勢力図は変わるのか。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/07/10 10:50

都市対抗のドラフト候補45人を紹介!“東高西低”の勢力図は変わるのか。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

東京ガスの山岡泰輔は高校時代に日本代表を経験し、21U世代でもワールドカップに出場した逸材。ドラフト解禁は来年だが、目玉となるか。

前年度王者は、補強の恩恵を受けられないのが痛い。

 富士重工業対日本通運は投手戦が予想される。富士重工業には小野和博、西嶋一記、新人の角田皆斗が、日本通運には最速144キロの好投手、井口拓皓が控える。春先のスポニチ大会に優勝した富士重工業は投手陣だけでなく西村凌(捕手)、日置翔兼(遊撃手)、竹田育央(中堅手)のセンターラインにスキがなく、準優勝した昨年の勢いを保持している。

 西濃運輸は、前年度のチャンピオンチームの特権で推薦出場できる代わりに、補強制度の恩恵を受けられないのが辛い。1回戦で対戦するJFE西日本は5月に行われたベーブルース杯決勝でプロの中日二軍を下して優勝するなど侮れないチーム。大車輪の活躍をした昨年のMVP・佐伯尚治の右腕に今年もチームの命運を託すことになる。

 スポニチ大会準優勝、静岡大会優勝のHondaには久しぶりに勢いを感じる。優勝した'09年以降、5年間で3勝5敗とパッとしないが、今年は静岡大会準決勝のNTT東日本を石橋良太、仲尾次オスカルの継投で10-1、決勝のトヨタ自動車を櫻田裕太郎が2-0の完封で退けるなど、投手陣の充実ぶりが目立つ。個人的には通算14本塁打(大会タイ記録)を放っている42歳のコーチ兼任、西郷泰之の新記録達成の瞬間をこの目に焼きつけたい。

“東高西低”を手助けしてきた近畿勢の奮起。

 都市対抗の“東高西低”を手助けしている近畿勢の復活にも期待したい。'00年に大阪ガスが準優勝して以来、近畿勢の決勝進出はゼロで、その14年間の成績は54勝81敗、勝率.400という低迷ぶりだ。

 しかし昨年の日本選手権では、パナソニック、日本生命が準決勝、大阪ガス、NTT西日本が準々決勝に進出して復活をアピールしている。今年になっても日本生命が京都大会、東北大会に優勝、パナソニックが岡山大会優勝、京都大会で準優勝するという充実ぶりで、そのパナソニックが近畿地区第2次予選で敗退するというよもやの展開。近畿勢の復活がますますリアルに伝わってくる。

 大阪ガスは初戦の東京ガス戦、2回戦以降は勝ち上がりが条件になるが日本生命は2回戦のJFE西日本と西濃運輸の勝者、NTT西日本は2回戦の東芝とJR四国の勝者との一戦が上位進出の関門になりそうだ。

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