ハープ松田師「いつものパターンじゃないとアカンのかな」

　勝ちタイムは2分11秒5。牡5歳、父キングカメハメハのラブリーデイは、栗東・池江泰寿調教師の管理馬だ。これで今年の中山金杯につづき重賞2連勝。中距離戦線に楽しみな新星が現れた。

「直線で期待以上に脚が溜まってくれたのに、似たような競馬をした馬に競り負けたのが悔しいです」と言う藤岡のスズカデヴィアスはハナ差の2着。

　猛然と追い込んだキズナは、スズカにクビ差及ばぬ3着。ハープスターはそこからさらに2馬身強遅れた5着に終わった。

「初戦やし、しゃあないわな。競馬だもん。やっぱり、いつもの（後ろから行く）パターンじゃないとアカンのかな」と、ハープの松田調教師はサバサバとした口調だった。次走は予定どおりドバイシーマクラシックになるようだ。

キズナが見せた、ラスト3ハロン33秒3、“さすが”の末脚。

　検量室から出てきて、「残念ですね」と切り出したキズナの武にも、それほど落胆した様子はなかった。

「この馬のレースはできたと思います。最後は差し切れるかなと思っていたのですが、ラスト7、80mあたりから伸び脚が鈍ってしまいました。結果を出さなくてはならない馬なので悔しいですが、骨折明けということを考えれば、よく走ったと言ってもいいのかもしれません。乗っていて『さすが』というところがやはりありますし、これからは勝ちつづけたいですね」

　確かに、ラスト3ハロン33秒3というメンバー最速の末脚には「らしさ」が見られた。本来なら突き抜けていたところだろうが、最後に伸びが鈍ったのは、やはり長期休養明けで、成長分を差し引いても立派に映った22kgの馬体増が響いた、ということか。

　佐々木調教師は、何度も「無事に走ってくれてよかった」と繰り返した。

「これ以上馬体を絞ることはできません。ただの9カ月半ぶりではなく、すごい骨折で、復帰が大変なところの9カ月ぶりだったわけですから。とにかく無事に走ってくれてよかった。もうちょっと軽い骨折なら自信を持てたんですけどね。きょうは行った行ったの競馬になってしまった。負けたのは時の運だと思います」

　14本もの追い切りを消化してのプラス体重だったわけだから、調教だけで絞るのはこれが限界だったのだろう。

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