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キズナとハープ、復帰の京都記念。
敗戦でも見られた、両頭の“らしさ”。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2015/02/16 11:20

キズナとハープ、復帰の京都記念。敗戦でも見られた、両頭の“らしさ”。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

最後の直線、キズナ(右)は外に持ち出し、ハープスター(右から2番目)は内に進路を取ったが、先行する2頭を抜き去ることはできなかった。

 GIIとは思えないほど多くのファンが第108回京都記念(2月15日、4歳以上GII、京都芝外回り2200m)のパドックを囲んでいた。人々が見つめる先には、2頭のクラシックホース……と言うより、日本を代表する牡牝の2頭と言うべきスターホースがいた。

 キズナ(牡5歳、父ディープインパクト、栗東・佐々木晶三厩舎)とハープスター(牝4歳、父ディープインパクト、栗東・松田博資厩舎)である。

 キズナは、昨年の天皇賞・春のレース中に発症したと思われる骨折による休養を経て9カ月半ぶり。ハープスターは、昨秋のジャパンカップで、道中、故障して下がってきた馬に接触する不利がありながらも5着に追い込んだレース以来2カ月半ぶりの実戦であった。

 この2頭が初めて激突するとあって、スポーツ紙が連日特集を組むなど、戦前から大いに盛り上がっていた。

最終的にハープスターが1番人気でレースがはじまる。

 最終的に、単勝1番人気はハープスターで1.8倍。14kgの馬体増は、消耗しやすい牝馬にとってはプラス材料と見られたようだ。逆にキズナは22kgの馬体増が敬遠材料になったのか、2.3倍の2番人気。3番人気は8.5倍のラブリーデイで、10倍を切ったのはこれら3頭だけだった。馬場状態は良。

 ファンファーレが鳴ると、3万2000人超が詰めかけたスタンドに手拍子が響いた。GIのような楽隊による生演奏ではないのに、これは珍しい。京都記念のファンファーレで手拍子が起きたのは初めてではないか。

 そのくらい「キズナ対ハープスター」の戦いは特別で、この「二強」を中心にレースは展開すると思われた。

 スタンド前の4コーナー寄りに置かれたゲートがあき、11頭の出走馬が飛び出した。

 もっとも速いスタートを切ったのはレッドデイヴィスだった。それを外からラブリーデイとスズカデヴィアスがかわしていく。川田将雅が軽く促すようにしたハープスターは中団の馬ごみのなかにいる。これまでよりは前のポジションだ。一方、武豊のキズナは「定位置」と言える後方に控えた。

【次ページ】 先行策をとったハープスターを襲う“異変”。

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