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G大阪、降格圏から真夏の復活劇。
攻撃の幅がもたらす「余裕と効率」。

posted2014/08/13 10:50

 
G大阪、降格圏から真夏の復活劇。攻撃の幅がもたらす「余裕と効率」。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

加入5試合にして4得点のパトリックと、前半からチームを支える宇佐美貴史。2013年には川崎、甲府にも所属したストライカーが、さらにエースを輝かせる。

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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 夏に強いガンバ大阪が戻ってきた。

 9日、大宮アルディージャに勝利し、これでブラジルW杯終了後、Jリーグが再開してから破竹の5連勝。再開時点では16位とJ2降格圏だったが、一気に5位まで順位を上げた。

 そして注目すべきは5連勝の内容だ。15得点1失点とズバ抜けた破壊力と守備の安定感を誇る。混戦がつづくJリーグで、ガンバが調子を上げてきた理由とは、いったい何なのか。

「パトリックの存在が大きい」

 そう語るのは、今野泰幸だ。

 今夏に移籍してきたブラジル人FWは、華麗なテクニック派ではなく、どちらかというと運動量やキープ力など泥臭いプレーが目立つタイプ。W杯中断中のキャンプではその特徴を活かして宇佐美貴史とのコンビネーションはもちろん、チームとしてどう機能させるかを意志統一してきた。

 その狙いのひとつが、DFの裏狙いだ。

「パトリックは、困った時に裏へ蹴れば頑張ってキープしてくれる。裏に出すと相手DFが警戒してくるんで、中盤が空いてくる。すると貴史もより生きてくる。実際、貴史のドリブルとか、すごい効いているからね。

 大宮戦の貴史のゴールがそうだったように、ふたりのコンビネーションから生まれるゴールもあるけど、今はそれ以外にもカウンターがけっこういいし、遅攻もあるし、サイド攻撃もある。いろんな攻撃で多くのチャンスを作れているし、いつか点を取れるって思えるんで、余裕を持って戦えているのが大きい」

 今野は、そう分析してくれた。

攻撃のバリエーションは、守備にもつながる。

 W杯中断前は、必死に守ってなんとかチャンスを作り、ワンチャンスを決めて勝つ試合展開だった。だが、パトリックの加入で攻撃のバリエーションが増え、得点パターンも確立できた。

「いい攻撃ができれば、いい守備ができる。それがガンバのスタイルだし、今はそれがハマっている」

 遠藤保仁も、そう手応えを語る。

【次ページ】 動きの“効率”が選手の負担を軽減する。

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