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ラグビー日本代表、
欧州ツアー2勝2敗の意味。
~'15年W杯への貴重なレッスン~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2013/12/21 08:00

ラグビー日本代表、欧州ツアー2勝2敗の意味。~'15年W杯への貴重なレッスン~<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

筑波大2年の福岡が、スコットランド相手に2トライと遂にブレイク。

 タフな1カ月だった。

 2013年秋の日本代表シリーズ。幕開けは、オールブラックスを秩父宮に迎え撃った11月2日の一戦だった。日本は世界最強軍団からスクラムでボールを奪うなど前半25分まで6-7と食い下がったが、小さなミスから失点を重ねた。終盤は猛攻に転じたが、トライ体勢に入ったWTB福岡堅樹が、相手キャプテンのリッチー・マコウに間一髪で阻まれた。6-54。日本はノートライで敗れた。

オールブラックス戦の翌日にはスコットランドへ。

 極限の攻防というタフなレッスンを積んだジャパンは、翌朝には成田へ向かい、ロンドン経由で17時間かけてエディンバラへ。6月のウェールズ撃破に続き、NZに食い下がった自信を胸に、敵地での強豪国撃破を目論みスコットランドに挑んだ。前半で3-11とリードされたものの、後半の立ち上がりに21歳の韋駄天・福岡が相手WTBを完璧に抜き去る2トライをあげ、2度にわたって1点差に。

 聖地マレーフィールドの観衆は不気味なまでに沈黙した。2つのトライの起点はスクラムで得たPKの速攻と、やはりスクラムで相手ボールを奪っての速攻。1年前はルーマニア、グルジアにも圧倒されていた日本のスクラムは、日本の武器へと変貌していた。

メンタルタフネスを見せつけられた敵地での戦い。

 しかし、金星は遠かった。2年後のW杯での対戦が確実なスコットランドは、失点するたびにFWが目の色を変えて愚直な突進を反復し、トライを取り返した。ブレイクダウンでひたすら身体をぶつけ、日本ボールに絡み、有利でも不利でもスクラムで重圧をかけ、日本を潰しに来た。

 勝負どころのラスト20分の集中力、スクラムを組むたびに芝が剥がれる悪コンディションにも仕事を遂行し続けるメンタルタフネス。60分にNO8・ホラニ龍コリニアシがシンビンを科された日本は17-42で敗れた。

「後半の疲れた時間帯に、コミュニケーションが少しルーズになったところがあった」。廣瀬俊朗主将は唇を噛んだ。敵地でのテストマッチの厳しさを、改めて痛感した。

 タフなレッスンは上位国相手だけではなかった。

【次ページ】 苦闘の教訓を活かしてスペインに40-7の快勝!

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