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G大阪、J2首位攻防戦で今季初黒星。
“他人任せ”の意識は捨てられるのか!?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2013/05/07 12:20
試合前、「自分たちの戦いは少しずつできるようになってきている」と話した遠藤だったが、後半、神戸の勢いに押されて2失点。J2で初めての敗戦となった。
自分のミスを他人任せにしてしまう選手が目についた。
ここ数年は、明神智和が遠藤の守備の負担を軽減してきたが、今年は怪我がちで出場は4試合にとどまっている。長谷川健太監督は、守備とビルドアップの能力が高い今野をボランチにすることで、中盤の構成力を高めようとした。その狙いは的中し、今野がボランチに入った試合は4勝3分け。4月攻勢の立役者のひとりになった。だが、鳥取戦でDF岩下敬輔がケガで離脱し、今野がセンターバックに戻ると中盤の質は目に見えて落ちていった。
今野の代役である内田には、若手らしく溌剌としたプレーを期待したいところだが、運動量も少なく攻守に覇気がない。自分のミスでボールを失っても取り返しにいこうとせず、ジョグして戻る緩慢さだった。
また、昨年も指摘されてきたことだが、自分のミスを他人任せにしてしまう選手が目についた。遠藤が、1失点目のシーンについて、「ミスから始まったし、守備の人数もいたけど、もう1歩ボールに寄せるなり、攻撃を遅らせるなど、そういうことをチームでしないといけない」と語ったように、これでは連動した守備など、求むべくもない。
最後には、ガンバらしからぬロングボールを選択。
2失点目は、加地亮が完全に裏を取られて小川慶治朗に決められたものだが、あまりにも簡単に相手MFのマジーニョにスルーパスを出させていた。ボールホルダーを見て、小川を見失った加地の責任もあるが、マジーニョに体を寄せるなどチェックに行く選手は一人もいなかった。1失点目、2失点目とも、ミスをカバーしフォローし合う意識があれば、防げたかもしれないものだった。
攻撃面では、遠藤の近くには倉田秋や家長がいたが、FWレアンドロの周辺で動く選手がおらず、キープしても囲まれて奪われることが多かった。後半途中から二川孝広が入ってレアンドロのフォロー役を果たそうとしていたが、うまく機能せず、逆に中盤は間延びしていった。
すると最後は、ガンバらしからぬロングボールを蹴り始めた。前線に身長があってキープできる選手がいるわけではなく、レアンドロや家長に代わって途中出場したFW平井将生は、神戸の田代有三のようにはプレー出来ない。かえって神戸を楽にしてしまった感があったし、そもそも以前のガンバなら、ロングボールの指示が出ていても平然とパスを繋いで崩しにかかったが、この日は選手たちが自らロングボールを選択していたのだ。