五輪代表選考はいよいよ最終段階へ――。

「納得できないっす」

　エジプト戦で2ゴールを挙げた宇佐美は、大会が3試合で終わったことをそう悔いた。

「なんか、よく分からないまま簡単に2点取られたし、自分らも点取った後にスローダウンしてしまった。そこで、もうひと踏ん張りギアを上げて、たたみ込むことができたら勝てたと思うけど、逆に点を取られてリズムを崩されてしまう。そこが課題っすね。個人的には、点が取れたのは良かったけど、今日はそれだけ。もっとドリブルで仕掛けないといけないし、それができんかったのが悔しい。ほんまに、あと2試合やりたかった」

　最後まで笑みはなかったが結果を出し、他選手との違いを見せつけた。その自信が、凜とした宇佐美の表情からもうかがえた。

　選手選考の節目と位置付けた大会は、選手間でクッキリと明暗を分けた。戦える選手、そうでない選手が明確になり、結果を出した選手にはプレーのチャンスが与えられた。守備の再構築などチームは課題山積だが、選手選考はトゥーロンでひとつのヤマを越え、いよいよ最終段階へと突入していく。