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4戦4勝者の大混戦で、
欧州ラウンドの行方は?
~今季のF1が予測困難な理由~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2012/05/11 06:00

4戦4勝者の大混戦で、欧州ラウンドの行方は?~今季のF1が予測困難な理由~<Number Web> photograph by AFLO

バーレーンGPではライコネン(左)がベッテルを追い詰めるもラインを誤り勝機を逃した。

 第4戦バーレーンGPで今季初、半年ぶりに勝利をたぐりよせたレッドブルのS・ベッテル。執拗に追い込むロータスのK・ライコネンを3.333秒差できわどく下した。

 これで開幕戦のJ・バトン(マクラーレン)、第2戦のF・アロンソ(フェラーリ)、第3戦のN・ロズベルグ(メルセデス)と合わせて4ドライバー・4チーム・4マシンが勝ち上がったことになる。稀に見る混戦状況だが、遡ると29年前の'83年シーズンはさらに熾烈であった。

 当時は第2期ホンダF1本格活動前、3000ccNA(自然吸気エンジン)と1500ccターボ・パワーが対決。開幕戦から次々に5ドライバー・5チーム・5マシンが勝っていった。その大混戦が甦りつつあるとは、まさに開幕前から予想していた『新接戦時代』の到来である。

 しかし、現時点のベッテル、L・ハミルトン、M・ウェバー、バトン、アロンソというランク順は昨年の第4戦終了時点と同じで、レッドブル勢とマクラーレン勢に単身挑むアロンソというトップ5オーダーである。大きく異なるのは、昨年はベッテルからアロンソまで52点に広がっていた差が今年は僅か10点。絶不調といわれてきたフェラーリでのアロンソの善戦健闘があらためて光る。そのフェラーリはコンストラクターズ順位で昨年同時期3位から4位に後退。抜かれた相手がライコネンを擁するロータスだ。

母国スペインGPでアロンソは反攻に転じられるか?

 ベッテルを苦しめたライコネンの2位追走は、消耗が早い今年のピレリ・タイヤを巧く使いきる戦略的ドライビングがあったから。決勝を重視し、ニュータイヤでのタイムアタックを2度に抑え、3回ストップ作戦にその温存したニューセットを投入。ロータスE20マシンはタイヤに優しい特性を持ち、それを充分に活かし切った成果だ。「2位は悪くはないが勝てるレースだった」とライコネン。接戦時代にこそ彼のクールさが際立った。

 いよいよヨーロッパラウンドがスペインGPから開幕する。注目はアロンソの母国でフェラーリがマシン・アップデートによって反攻に転じられるか。首位奪還のベッテル、レッドブル勢がリードを保てるか。いや5人目の勝者がまたも出現するのか。マシン戦力が拮抗し、タイヤ・マネージメントに左右される今シーズンは、予測するのが本当に難しい。

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