「あとは、打者を牛耳る技術をどう身につけるかだね」

　若い投手が出てくる時とは、ともするとこういうことなのである。

　細かいマウンドさばきができなければ、実戦で鍛えてゆかなければならない。ただ、ピッチングは荒削りでもそういう課題がなければ、一軍ベンチに置いてチャンスを見ながら勝負の世界で鍛え上げていくこともできる。そのチャンスをものにできた投手が、一軍で生き残っていくことになるのだ。

「あとは、打者を牛耳る技術をどう身につけるかだね」

　開幕一軍を狙う宮國へのテーマをこう掲げた指揮官。一つ一つのボールの威力をレベルアップして、バッターを抑え込むピッチング術を身につけることだという。

　ちなみに巨人の阿部慎之助捕手の昨年の盗塁阻止率は3割2分8厘で、ヤクルト・相川亮二捕手の3割3分3厘に次ぐ2位だった。宮國がきちっとクイックで投げさえすれば、走者はそうはやすやすとは走れない。