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ヤンキースの評価は次の次で……。
松井秀喜が格安年俸で勝負に出る!?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/02/20 10:30
2月上旬、広告関係のイベントに参加して、子供たちの野球教室を見守る松井秀喜選手。国内復帰はあり得ないということで、メジャー球団からの吉報を待ちつつ、日本国内でトレーニングを続けている
3番手の評価に甘んじる松井のアドバンテージは「価格」。
現状、松井はイバニェス、デーモンについで3番手という評価だ。守備の面でも、イバニェスの評価が最も高い。
もし、松井にアドバンテージがあるとするならば、それは「価格」ということになるだろう。
2月10日前後の報道では、デーモンのエージェントは日本円にして4億円ほどの契約を狙っていると伝えられたし、イバニェスの昨季の年俸はおよそ10億円、松井は3億円ほどだった。
イバニェスとしても大幅な減俸は避けたいだろうし、デーモン側も強気の姿勢を崩していない。もし松井が1億円から2億円前後で交渉に応じるとするなら、大きな武器となる。
1ミリオン前後の年俸を受け入れるなら他球団も触手を!?
福留孝介が1ミリオン、約8千万円でホワイトソックスと契約を交わしたが、スプリング・トレーニングが近づけば近づくほど、価格は下がっていく。
もし、松井がその価格帯にはまるとするなら、アスレチックスやオリオールズ、あるいはメッツなども興味を示す可能性がある。
いずれにしても、選手の価値、価格は市場の動向に大きく左右される。たとえば、あるチームで左の主砲がケガをしたとしたならば、左の長距離打者の価値は一気にあがるのだ。
たしかに松井の落ち着き先が決まらないのは不安ではあるが、彼に対するニーズはまだまだある。
市場の動向を注視していれば、行方はおのずと見えてくる。