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メジャーも“変”の一年、Kロッドが格安移籍。 

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津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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photograph byYukihito Taguchi

posted2009/01/06 00:00

メジャーも“変”の一年、Kロッドが格安移籍。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 日本で毎年恒例となっている世相を一文字で表す“今年の漢字”が「変」に決まったが、海の向こうメジャーリーグも今オフは“変”の様相を呈している。

 FAの目玉の一人、F・ロドリゲスのメッツへの移籍がウィンターミーティング中に決定。総額3700万ドルの3年契約で合意した。確かに年平均ではヤンキースのM・リベラの1500万ドルに次いでリリーフで史上2番目の高額。だが26歳という年齢やメジャー新記録の62Sをマークした実績から、当初は5年総額7500万ドル程度の攻防と見られていただけに、この格安契約はまさに“異変”。

 セリグ・コミッショナーが「不景気な世情に配慮した経営を」と異例の呼びかけをしたが、球団経営も“変化”を余儀なくされている。球団の売却先を探しているカブスの親会社・メディア大手の『トリビューン』が事実上の経営破綻。経営危機に陥る“ビッグ3”の一角、ゼネラル・モーターズ社も、パイレーツとのスポンサー契約を打ち切ることに。メジャー界にも不況の嵐が吹き荒れているのだ。

 対応を迫られる各球団も“大変”だ。ブルージェイズとダイヤモンドバックスは他球団に先駆けて職員のリストラに着手し、MLBの関連会社も労働力カットを表明。観客動員の落ち込みを予想して、半分以上の球団がチケットの値上げを断念。毎年上昇の一途を辿ってきた入場料も来季に限っては“不変”というわけだ。

 今後もストーブリーグに影響が及ぶのは必至。ある代理人は「本来は決まっているはずの選手の移籍先が、今年に限っては未だ金額提示すらない。越年を覚悟しないと」と胸中を明かしたが、厳冬になったのはメジャー移籍を目指す日本人選手も同じこと。戦力アップには、高額なFA選手よりもトレードを優先したいと、多くの球団の意向も昨年とは“一変”したと聞く。

 '08年の漢字「変」は、米国のオバマ次期大統領が“チェンジ(変革)”を訴えたことも理由となったそうだが、彼が公約に掲げる富裕層への所得税率が 35%から39.6%に“変動”する前に契約金を受け取り節税したいというFA選手の思惑も切実に感じられる。来年は世界経済もメジャーにとっても、いい一年になることを祈りたい。

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