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秋山成勲の復活なるか?注目したい一挙手一投足。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

posted2007/10/18 00:00

 世間を賑わしたヌルヌル事件から10カ月、秋山成勲が10・28HERO'S韓国大会で復帰する。昨年大晦日の桜庭和志戦で全身に保湿クリームを塗っていたという理由で主催者から無期限出場停止処分を受けていたが、秋山本人も十分に反省しており、社会的制裁も受けたと判断されたのだろう。慎重な協議の末に処分は解かれた。

 日本では凄まじいバッシングを受けた秋山だが、韓国でヌルヌル事件を知っている者はほんのわずか。一般大衆の耳にまで届いてはいない。HERO'Sを主催するFEGによれば、現地の格闘技ファンの間ではむしろ復帰論が持ち上がっているという。そうした事情を配慮して復帰戦の舞台として韓国を選んだことは想像に難くない。ソウル在住の、あるスポーツライターは予想する。

 「秋山が入場してきたら、ブーイングを飛ばす者もいるでしょう。しかしそれは少数派。それより韓国の格闘技界で秋山はチェ・ホンマンに次いで知名度が高い。結局は大歓声とともに受け入れられることになるのでは」

 もっとも韓国と日本では事情が違う。周囲の状況を見渡す限り、秋山バッシング派の声は鎮火していない。それに「許す」「許さない」はFEGと秋山個人の問題であって、ファンやマスコミとの間の問題ではない。決戦当日、少なくともヌルヌル事件を覚えている日本のファンの多くは入場から退場までの秋山の一挙手一投足に注目することになるだろう。

 今回ばかりは柔道衣か上半身裸かという闘う時の格好は大きな問題ではない。格闘家としてではなく、まず第一に人としてどう反省したのかを見極められることになる。それだけは秋山も十分に自覚した方がいい。少しでも「やっぱり俺は必要とされている」といった態度を見せたら、すぐにバッシングの集中砲火を浴びることは目に見えている。

 アスリートが現役でいられる期間はひじょうに短い。プロ転向が遅く、すでに30歳を越えている秋山だったら、なおさら先は長くはない。それゆえに、この時期に1年近くの時間を奪い取られるほど辛いペナルティはなかっただろう。だったら今回の復帰戦で秋山はどうすればいいのか。答えはひとつ。いい試合を見せることしか選択肢はない。

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