SCORE CARDBACK NUMBER

セレクションを経た代表に、期待の若手、2人あり。 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byNobuhiko Otomo

posted2005/04/14 00:00

セレクションを経た代表に、期待の若手、2人あり。<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

 南緯35度、西経57度。ちょうど地球の裏側の国、南米ウルグアイと、日本代表は4月16日、'05年度の初戦を戦う。15人制では初めての対戦だ。

「今のジャパンの状態を考えたら、地球の裏でもどこへでも行って、結果を出して信頼を取り戻したい」。遠征を控え、主将の箕内拓郎はそう言った。スコットランドに8対100、ウエールズに0対98と、昨秋の欧州遠征で壊滅的な大敗を重ねた日本代表にとって名誉回復への第一歩。ウルグアイは知名度こそ低いが、W杯には2回出場して2勝と既に日本の実績を上回り、IRBの最新世界ランキングも日本の18位に対して15位。さらに1週後の23日には、世界の8強に数えられるアルゼンチン戦。楽観できる要素は何もない厳しい遠征だが、負債を抱えてスタートする日本代表にはむしろ相応しい。

 ところで、ウルグアイ戦では歴史的な記録が生まれる可能性がある。3月まで埼玉・正智深谷の高校生ながら代表入りしたWTBクリスチャン・ロアマヌは、もしウルグアイ戦に出場すれば18歳10カ月。日本代表の最年少キャップ記録は1932年のカナダ戦にSOで出場した丹羽正彦の19歳0カ月だから、73年ぶりの記録更新となるのだ。3月まで早大1年だったFB五郎丸歩も、ウルグアイ戦に出れば19歳1カ月。ロアマヌには及ばないが、これまで戦後最年少だった増保輝則の19歳3カ月を上回る。

 2人のプレーはこれまで高校・大学のエイジレベルに限られていた。その意味で早すぎる感は否めないが、今回の代表は3月24日に福島で行われた、日本代表としては4年ぶりのセレクションマッチを経て選出されたことに価値がある。五郎丸は(元木由記雄や廣瀬佳司、小野澤宏時ら主力が並ぶ紺チームに入れられる運にも恵まれたが)'03年W杯代表のパーキンソンら歴戦の猛者から激しいタックルを浴びてもブレずにボールをコントロール。「強くて懐の深いプレーをする」(元木)実力を証明しての代表入りだ。ロアマヌも、足首の負傷を抱えながらフィジカルの強さを見せつけた。香港で行われた7人制W杯で世界の強豪と渡り合った有賀剛が指の骨折でセレクション合宿を辞退したのは惜しいが、才能ある若者は一刻も早く世界の舞台に飛び出すべき。2人にはぜひ、地球の大きさを掴んできてほしい。

ページトップ