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エリザベス女王杯で宿命の対決、再び。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byYoko Kunihiro

posted2007/11/15 00:00

エリザベス女王杯で宿命の対決、再び。<Number Web> photograph by Yoko Kunihiro

 牡馬は牝馬より絶対的に強い、という長年に渡る思い込み。日本ではそれが特に顕著で、当歳馬の取り引き価格において、牝馬が半額以下となるのは買い手も売り手も当たり前のことと考えている。

 今年は64年ぶりに牝馬ウオッカがダービー馬となったが、だからといって7月に行なわれたセレクトセール市場で牝馬が高く買われたかといえば、決してそうではなかった。サラブレッドの生産に携わる人たちは、「生まれた子供が牝馬とわかった瞬間、先に投資した種付け料が回収できるだろうかと考えてしまう」と嘆くが、ウオッカ1頭の働きだけではそれを覆す動きは起きなかったということになる。

 それにしても、今年ほど牝馬のレベルが高い世代を知らない。ダービー馬・ウオッカが同じ歳の牝馬に1勝2敗と負け越しているという事実。このエリザベス女王杯は、何としてでも宿敵ダイワスカーレットに借りを返さなければいけない大一番なのだ。

 ダイワスカーレットとしても、ここはどうしても譲りたくない戦いだ。勝てば、最優秀3歳牝馬の座がグッと近づくことになる。ウオッカに五分の星勘定に戻されることになれば、今度はダービーの勲章の重みがまさるということになるだろう。いつもの年なら、一連のG?戦線の中でも少し格が落ちるイメージがあるレースだが、今年は全然違う。このガチンコ対決だけは、絶対に見逃すわけにはいかない。

 秋華賞のあと、ダイワに負かされた馬たちを管理している複数の調教師が、「しまった。菊花賞を使えばよかったんだ」と、ジョークめかしてぼやいていたのを聞いたが、筆者が感じたのもそれ。もちろん、3000mの距離に対する適性はあるが、馬の強さだけで論じれば、秋華賞のメンバーがはじめて菊花賞のメンバーを上回った年になったのではないかと思っている。そこで圧勝したダイワスカーレットの強さは際立っていた。

 しかし、ウオッカの四位騎手は「秋華賞は内回りの2000mというのが向こうに有利に働いた。今度は外回りの2200m。今度こそ、こっちが強いということをわからせてやる」と闘志を燃えたぎらせている。

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