#686

記事を
ブックマークする

面白さが凝縮された、「怪物不在」の甲子園。

2009/03/08

 第89回夏の甲子園大会を放送するABC朝日放送のキャッチフレーズは「怪物出現」だった。大阪桐蔭の怪物スラッガー、中田翔の出場を見込んで作った惹句である。しかし、大阪桐蔭は大阪大会決勝で金光大阪に敗れ、多くの関係者は落胆した。昨年、甲子園球場を興奮の坩堝に巻き込んだ斎藤佑樹(早稲田実)や田中将大(駒大苫小牧)のような中心軸の役割を中田に期待したからだ。

 開幕前から中心軸はブレていたわけだが、開幕すると活躍が期待された有力校が次々と序盤戦で姿を消し、中心軸はさらにブレ続けた。1回戦で金光大阪、駒大苫小牧、報徳学園が、2回戦で、最速155キロの豪腕・佐藤由規擁する仙台育英が、準々決勝で帝京が敗れた。いずれも人気があり、選手の能力も高いチームだから関係者は青ざめた。このままでは甲子園球場に閑古鳥が鳴いてしまうと。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Hideki Sugiyama

0

0

0

前記事