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雨のモナコ、勝者と敗者を分けた“ミス”。

 11年ぶりのウェット・モナコ、数え切れないくらいあちこちでクラッシュが起きた。そのたびに雨で濡れて重くなったイエローフラッグが振られ、セーフティーカーが2回(計9周)も出動する事態になった。2時間00分42秒742、平均時速126.170キロ、78周レースの76周目終了でタイムオーバー。L・ハミルトンは2年目にしてこの伝統のグランプリを勝ち取った。6周目に海岸沿いタバコ・コーナーでミスして右後輪タイヤを損傷したが、チームは瞬時に好判断、たっぷり燃料を入れて54周目まで行かせた。

 天候はしだいに好転、適切なタイミングでドライタイヤへとつないだハミルトンは、雨雲が切れて明るくなった街の中を落ち着いて飛ばしていった。確かに運も良かったが、これがモナコで過去最多14勝しているマクラーレン・チームの勝ち方そのものなのだ。バランスの取れたレースセットアップを施したエンジニア、正確で早いピットワークをこなしたメカニックに、若いハミルトンは改めて感謝すべきだろう。6周目のミスはカバーされたのだから。

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photograph by Hiroshi Kaneko

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