名古屋場所千秋楽、既に14連勝で優勝を決めていた横綱朝青龍と、綱とりに挑んだ大関白鵬とのモンゴル出身同士の結びの一番。この勝負を多くの相撲ファンが固唾を呑んで見守った。
立った瞬間に素早く左上手を引いた朝青龍が、タイミングを計っての上手投げ。これを下半身の柔らかさと肩幅の広さで凌いだ白鵬が徐々に体勢を立て直し、両者右四つがっぷりの形に。白鵬の寄り身に対し、朝青龍が吊り身で対抗する手に汗握る展開。体力勝負では分が悪いと見た朝青龍が左の巻きかえにきた瞬間、白鵬が定石通り両まわしを引きつけて一気に寄り立てる。最後は白鵬が全体重を預け、折り重なるように朝青龍をねじ伏せた。両者の攻防が詰まった46秒の力相撲。2人の間に歴然たる力の差は、最早感じられなかった。最終的には星の差1つ。朝青龍14勝1敗の優勝、白鵬13勝2敗の準優勝で名古屋場所は幕を閉じた。
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