近年は日本でも「マルチ世界戦興行」が珍しくないが、9月15日パシフィコ横浜のトリプル世界戦を放映するテレビ東京は、これに2日前ウクライナで行なわれる木村登勇のWBA世界S・ライト級王座挑戦の録画を加え、3時間番組で「世界戦4試合」を用意している。「企画で勝負」の同局らしい試みだが、長時間視聴者を飽きさせない好試合が続くことを祈るばかりだ。
このトリプル戦での注目は、新井田豊対ローマン・ゴンサレスのWBA世界ミニマム級戦だ。地味なチャンピオンも良き相手を得て自らも光り輝くことがあるが、新井田にとってまさに今度の試合がその好機だ。21歳のゴンサレスは、あのニカラグアの英雄アルゲリョが指導し、デビュー以来20連勝18KO負け知らず。強打者のバロメーターであるKO率90%(新井田は33%)は、最軽量級では考えられない数字である。アルゲリョを髣髴させるボディへのアッパーカットは、新井田を苦しめそうだ。チャンピオン自身も「危険な相手。試合がどうなるか、俺も実際のところ分からないんですよ」と、気を引き締めて調整を続けている。
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