本当のエースと呼ばれる条件。それは、チームが苦しい時に勝てることだ。その意味で、今シーズン、誰もが真のエースになったと認めるのが、中日の川上憲伸である。
川上が入ったばかりのころ、エース教育を施したのは当時の投手コーチ、山田久志だった。山田は「中継ぎエースとか抑えのエースとかいうが、エースはチームに一人だけ。お前に任せた」と言い、川上が門限破りをしても「お前がエースになるため」と黙認したこともあった。
あれから8年。象徴的だったのは6月6日のピッチングだ。対中日8連勝中と苦手のロッテを相手に、川上は快投を見せる。7回途中までは完全、あと3人までノーヒットノーランの1安打完封勝利。まさに「苦しい試合に勝つ」というエースの条件を十二分に満たしたのである。
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photograph by Hideki Sugiyama