一瞬、誤報ではないかと疑った。あり得ないことが起きたのが、5月15日ラスベガスの世界L・ヘビー級タイトル戦。揺るぎない地位を築いていたロイ・ジョーンズが、前王者の“マジックマン”ことアントニオ・ターバーに衝撃的な2回KO負けを喫した。リングのスーパーマンが10カウントを聞く場面など、誰が想像できたろう。
しかし相手のターバーにしてみれば、番狂わせといわれるのは不本意だろう。昨年11月の初戦は接戦の末に論議を呼ぶ2―0判定でジョーンズの手が挙がった。ターバーは判定を盗まれたと騒ぎ、勝利にケチをつけられたジョーンズも応じて迎えたのが今回の再戦だった。共に35歳だがボクサーとして衰えは見せない。アマ生活が長かったターバーは宿敵の成功に嫉妬し、機会さえあれば自分が最強であることを証明できると豪語していた。
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