国内最高峰のカテゴリーとして、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンが、自らをF1へのステップアップカテゴリーと位置づけたことについて、長年にわたって反対意見を述べてきた。
F1の権威を借りれば手っ取り早く振興できるという着眼は間違ってはいない。だが、それではいつまでもF1に追従しなければならない。結局、わたしが怖れた通り、ファンはF・ニッポンをF1に行けない選手の吹きだまりと見なすようになってしまった。
確かにF1は世界最高峰のレースではある。だが一方でF1を頂点としたステップアップのルートが、いつしか帝国主義的巨大集金システムと化してしまったことに気づいている人間は少なくあるまい。そのシステムの中に身を置くためには法外な持参金を用意するか、それに相当する支援体制を築くしか道はない。F1ドライバーは優れた能力を持っている選手ではある。だが優れた能力を持っていればF1ドライバーになれるとは限らない時代になったのだ。
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