「日本人はフィジカルが弱い」。それは日本サッカー界においては、「宿痾」のごとく考えられ、アジアのライバルに敗れるたびに、敗因として「フィジカルの弱さ」が公然と指摘されてきた。
「それでありながらフィジカルトレーニングや、フィジカルコーチというものへの理解はずっと低いままだったんです」
著者のひとりである菅野淳は、今夏のアテネ五輪において、山本昌邦監督のもと、フィジカルコーチを務めた人物として知られている。そもそも大学時代の著者に、「フィジカルコーチ」という未踏の荒野の可能性を示したのが、山本であったという。山本に誘われて、日本人フィジコとして歩み始めた当初は、選手の理解もなく、基礎的なデータを集めるだけでも一苦労だった。だがトレーニングのためのトレーニングではなく、その成果をいかにピッチ内での結果に結びつけるかという視点でなされるフィジカルトレーニングは、やがて選手たちの信頼を集め、高原直泰、福西崇史などフィジカル面でも世界と渡り合える選手が育っていく。
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