速さこそすべて──。K・ライコネンが、17位グリッドから“センセーショナル・ウィン”を飾った日本GP。奇跡的な大逆転シーンが53周レースの最終周、1コーナーで演じられた。
彼はこの周回を1分33秒161で走っている。44周目にはファステストラップとなった1分31秒540をマークしているから、1秒621も遅いタイムである。抜くことだけに集中し、じっくりコックピットから前方1位G・フィジケラの動きを見極め1コーナーでアウトサイドからかわしていった。
レース終盤、1位フィジケラは1分33秒台ペースを保つのがやっと、追いつめられているのはよく分かっていたが、この勝負どころで対抗する力がもはやマシンパッケージのどこからも湧いてはこなかった。
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photograph by Hiroshi Kaneko