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【阪神】「あ、折れちゃったか」近本光司の“究極のプラス思考”と中野拓夢が抱いたタイガース“2番”の矜持「バラバラになりそうな時もあった」
2リーグ分立後では球団史上初となるセ・リーグ連覇を成し遂げた夜、中野拓夢の胸中を占めたのは達成感ではなく安堵感だった。
「本当に苦しかったですね。今年はいままでになく大変なシーズンを過ごしました」
'23年、'25年に次ぐ栄誉。球団では過去、誰も成し得なかった連覇までの日々は、想像を絶するほど過酷な道でもあった。心と体、どちらかだけの不調なら経験でカバーできたかもしれない。だが足、腰に不安を抱えながら戦った序盤、近本光司の長期離脱がチームを、そして中野を苦しめていた。
タイガースの象徴として、近年は1、2番を担ってきた2人。相棒不在の「76日間」の舞台裏と、その先にあったものとは――。
あれは4月26日の広島戦(甲子園)だった。悪夢は1点リードの8回に起きた。2死走者なしで打席に立った近本は、広島・髙太一の151kmを左手首に受けた。シュート気味に食い込んでくる内角球を避けきれず、「パチンッ」という衝撃音を残したボールは真下に落ちた。体を反転させ、その場にうずくまると動くこともできず、スタンドの虎党からは怒号が飛んだ。
「僕の口から言えることはありません」
そのまま交代が告げられ、クラブハウスに戻る道中、何かを覚悟したような表情の近本が唯一残したコメントが事態の深刻さを物語っていた。その後、兵庫県内の病院で検査した結果、左手首骨折と診断された。

'23年7月2日の巨人戦(東京ドーム)では、高梨雄平の内角球を右脇腹付近に受けて右肋骨を骨折したこともある。この時は11試合を欠場し、同月22日には戦列に戻った。だが、手首は細く、繊細な骨が密集する箇所。ここから日数にして76日間という、長いリハビリ生活が始まった。
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