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過去17度の「1位巨人、2位阪神」激闘史を川藤幸三、赤星憲広、原口文仁が振り返る《佐藤輝明秘話「清原さんと話をさせていただいて…」》
「勝った! 勝った! また勝った! 弱い巨人にまた勝った!」
そのむかし、虚勢を張ることしかできない阪神ファンが甲子園で絶叫していたのがウソのようだ。いつも首位巨人にコテンパンにやられ、たまに勝った時だけ連呼するお馴染みの勝ち鬨は、虎党の悲哀だった。
だが、ついについに……時代が変わった。藤村富美男も村山実も吉田義男も果たせなかった“悲願”が令和8年に成就した。
巨人を押しのけて優勝――。
今季、16勝8敗1分けと対戦成績で圧倒し、2リーグ分立後77年目で初めて「1位阪神 2位巨人」で並ぶ順位になった。
「現場もフロントも努力して、現在のタイガースは本当にいい戦力があるわな」
じゅうじゅうとお好み焼きが焼けた鉄板の前で、えびす顔の前OB会長、川藤幸三がしみじみと呟く。だが、これまでの「伝統の一戦」について訊くと、御年77歳の“ご意見番”は表情を変えた。
「伝統の力というのは良いことも悪いことも積み重ねや。良い経験を重ねていったのがジャイアンツであり、悪い経験を重ねていったのが、タイガースやと思う」
川藤には忸怩たる思いがいまも胸に宿る。新人だった1968年は巨人のV9の真っただ中で、王貞治と長嶋茂雄のONを擁するライバルの後塵を拝してきた。
「1位巨人 2位阪神」
これまで17度もある順位である。

阪神の歩みは敗者の記憶だった。
オムそばを食べはじめた川藤の前にセピア色の写真を置いた。甲子園の内野になだれ込み、三塁ベンチ前に密集するファンが写る。日付は「'73年10月22日」とある。
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