NumberPREMIERの動画インタビューによる新連載「ドラ1の方法論」では、プロ野球選手を数多く輩出してきたチームを徹底取材し、その育成術を探っていく。記念すべき1回目に登場するのは、前人未到の「4年連続の複数ドラ1」という快挙に迫る青山学院大学。2019年の就任以来、3人のドラ1投手を育てた中野真博コーチに話を聞いた。《後編はこちら。安藤寧則監督のインタビューもこちらで公開中。鈴木泰成選手、渡部海選手の動画インタビューも近日中に公開予定です》
「アオガク」として知られる母校・青山学院大のユニフォームを20年ぶりにまとい、中野真博は再確認する。
やっぱり青学はいいチームだな――。

東都大学リーグで1988年秋に初優勝を遂げてから、春秋計12回の優勝へと導いた、名将・河原井正雄の薫陶を受けてきた。
中野が在学していた95年から98年時点では、すでに現在のように全体練習が短く、自主練習が主体の環境で揉まれてきた。
「自由時間が長いわけですよ。3年生あたりになると、この時間が本当にきつい。ここで目的意識をもって遂行できる選手と、そうでない選手の差が結構つくんです」
中野はこの環境で自己責任の重要性を学び、己を磨くことで主戦ピッチャーとなった。その後、社会人の強豪・東芝で32歳まで現役を続け、指導者としても41歳までチームに携わることができたわけである。
2019年に青山学院大の監督となった安藤寧則から誘われ、母校のコーチとなった。社会人野球の現場で指導していた経験により、中野には選手を見る目が養われている。

「どういうピッチャーが伸びるかとか、野球人生をそこで終えるかというのは、自分のなかではわかっているので」
中野は「教えることだけがコーチの仕事ではない」と言い切る。
重要なのは、自分と同じように青山学院大の環境で目標へと邁進できるかどうかだ。
「僕たちの仕事は、選手に環境を与えることなので。『自分を伸ばそうとするお前たちの邪魔をしないよ』という、こちらのスタンスを最大限に利用して。『プロに行きたい』と本気で努力できた子が伸びると思います」
選手の性格に合わせた〝ケツの叩き方〟
かといって、中野はただ見守るだけの指導者ではない。わかりやすく選手を導くこともある。彼はそれを〝ケツを叩く〟と言った。
23年。安藤―中野体制となり初めてドラフト1位でプロとなった、下村海翔(阪神)と常廣羽也斗(広島)がそうだった。
論理的に状況を整理できる下村には「やるべきことはわかってるよな?」と問い、答え合わせをする。常廣に対しては真逆だ。「お前やる気あるのかよ!」と、わかりやすい檄を飛ばしながら奮起を促してきたという。
硬軟を使い分けながら選手を導く。中野の本懐とは指導者として至極まっとうだった。
「だって、頑張っている子は報われてほしいじゃないですか」

動画では以下のような話題について語っています。
- 多くの「ドラ1選手」を輩出できる背景とは?
- 「〝自由な練習〟ほどきついものはない」
- 1学年後輩、安藤監督のもとでコーチとなったわけ
- 2部のチームがのちの「ドラ1」選手を獲れた理由
- 強豪校出身の下村と無名校出身の常廣。ふたりの評価とは?
- 大学、社会人を経験した中野コーチの〝ケツの叩き方〟
2019年から青山学院大野球部で指導する中野真博コーチ。大学、社会人での経験をどのように選手たちに落とし込むのか。約20分間の前編インタビューを是非ご覧ください。
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