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7連敗、無安打地獄、リーグ優勝…キャプテン・坂本誠志郎は9月もタイガースを鼓舞し続けた「今年一番、眠れませんでした」「僕にヒットが…」
その数分間に男の矜持が詰まっていた。
9月15日の甲子園。時計の針が午後10時を指そうとしていた頃、坂本誠志郎は最後まで一塁側ベンチ奥に居残っていた。
チームは3時間47分の熱戦に敗れ、今季ワーストの7連敗を喫していた。左アキレス腱断裂から復帰3戦目のリリーバー石井大智が自身53試合ぶりに失点し、下位に沈む中日に完敗していた。湿度は80%を超えており、ただでさえ不快指数が高い。鬱屈した空気が充満する中、坂本はベンチ裏に続く階段の真横に立った。
大山悠輔に佐藤輝明、中野拓夢……。視線を落とし目の前を通り過ぎていくナインの背中をポンポンと叩き続ける。最後尾の前川右京に言葉をかけ終えると、男はベンチ内に残っていたペットボトルのゴミを回収して、静かに姿を消した。
阪神の主戦捕手でもある坂本は7連敗の最中、一度もHランプを灯せていなかった。9月はノーヒットのまま、33打席連続で無安打が続いていた。目の下に色濃く滲むクマはもう隠しきれない。体重が落ちたわけでもないのに、頬もこけて見える。そんな状態でもなお、男はリーダーとしての責務を全うし続けていた。
「実はあの日の試合前、野手ミーティングを開いて、ちょっと喋らせてもらっていました。だから試合後、『ミーティングをしたのに結局あかんかったやん』とだけはなってほしくなかったんです」
藤川球児監督も参加したミーティングの最中、坂本は重苦しい雰囲気が漂う集団の中心で、熱く訴えかけていた。
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