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「選手たちは“良くやろう”としすぎたと感じる」ロラン・ティリ監督が語るバレーボール男子日本代表“敗戦の理由”「ポイントは頭脳を使うこと。なかでも大事なのは…」【指揮官インタビュー】
「様々な感情が入り混じっている状態です」
バレーボール男子日本代表監督の1年目を終えたロラン・ティリは静かに口を開いた。
インタビューに応じてくれたのは、フィリピンで行われていた世界選手権から帰国したわずか2日後。普段は陽気なフランス人監督もさすがに失意の色は隠せなかった。
「今シーズンはよく働きました。そして多くの方から素晴らしいリアクションをいただき、熱心さが伝わっていました。ただ世界選手権では最初の2試合で結果が決まってしまい、大変落胆しています」
メダル獲得を目指した9月の世界選手権で、日本はトルコ、カナダに連敗し、第3戦を残して予選ラウンド敗退が決まった。この結果に対しファンから厳しい意見が飛び交っていることも耳に入っているのだろう。それも男子バレー人気の表れと言えなくもない。かつては、負ければメディアに扱われることはほとんどなく、声をあげるのは熱心な一部のバレーファンだけだった。だが今は負けても大きく取り上げられ、誰もが監督になり評論家になる。選手や監督にかかる重圧は大きい。
トルコ(16位)もカナダ(11位)も世界ランキングでは5位(大会開幕時点)の日本より下位だったが、どちらも体格に恵まれ、世界最高峰のイタリア・セリエAで活躍する選手も擁する実力国。敗れてもおかしくない相手だったが、1セットも取れずに2連敗したことは衝撃的ではあった。
かつて世界に大きく引き離されていた日本は、この約10年で着実にその差を詰め、2023年のネーションズリーグでは銅メダル、昨年の同大会では銀メダルを獲得し、世界ランキング2位でパリ五輪に臨んだ。そのパリではイタリアとの準々決勝で大激戦の末に敗れたが、日本は五輪メダルにあと少しで手が届くところまで来ていると、誰もが期待を抱く敗戦だった。
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