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大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希…彼らはなぜ、速い球を投げられる?「大谷投手は復帰後、投げ下ろすようになり…」《動作解析の専門家・川村卓教授に聞く》
筑波大学で野球の打撃や投球の動作解析を研究する川村卓教授にとって、大谷翔平は「このぐらいかなと思ったら、そこを超えてくる。こちらの考えが及ばない選手」であるという。2度目のトミー・ジョン手術を経て、今年6月に投手として復帰した大谷はその期待を裏切ることなく、肘への負担を軽くするようなフォームになってマウンドに戻ってきた。
「以前の大谷選手は、腕を横にふってボールの回転効率が悪くなっていましたが、復帰後はボールに上から指をかけてバックスピンをかけるフォームに変化しました」
手術前は、長い腕に遠心力が強く働くため腕が早く伸びるフォームだった。腕が伸びた状態を長く続ける、いわゆる「モーメントアームが長い状態」では、肘に力がかかる時間が長く、ケガの要因になる。その点をカバーするのが新たなフォームで、「負傷を受けてのフォームの改造ではないか」と川村教授は考える。
「上から指をかける様に投げることの何がいいかというと、腕を曲げている時間が長くなることです。最後は腕が伸びるのですが、腕を畳んでいる時間が長く取れるので、遠心力による肘への負担が少なくなります。ただ、あれだけのスピードボールですから、負担が全くないわけではなく、以前より負担が軽減されるという感じでしょうか」

大谷は復帰後3度目の登板となる6月28日のロイヤルズ戦で、MLB自己最速となる164kmを叩き出すなど、パワーピッチは健在だ。好調の背景にあるのが、フォームとともに変わったボールの軌道だ。
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